短編[Year.2010]

この間、この公園の あそこらへんに 蜂がいたんです 小さな子が ぷっくりした手のひらで 赤いほっぺをなでながら 話しかけてきた (いつから居たのかしら) 彼は赤いはんてんをきて(……)

白い石が、ころんと転がって 太陽の下で、あったまってる それを見かけた、ちいさいアマッコが 白い石に、きいてみたんだ あんた何年いきてきた？ あんた、わたしに 答えてくれる？ 石(……)

雪が降って サンタがきて 明日は幸せになれるって 誰かがいっていた 　誰も　あなたの生き方を 　決めることが　出来ない 　誰も　あなたの人生を 　背負うことが　出来ない 涙(……)

月の方から星がながれて そしておちて、きえていった 　あなたのつらさは 　あなたにたいする 　愛のなさ、信頼のなさ、誇りのなさから 　生じております 　まぁ　本当にひどい 自信を(……)

ビッチさん 最近、またあなたにあったのよ どんだけ居るのよ、あなたは 歩くと必ず居るんだもの 犬も歩けばなんとやらじゃないけれど こんなにごろごろ居なくたっていいと思う ビッチさん(……)

歌姫が、歌っているので 茶色い変なにおいのする水を買って 前の席にすわりました 誤解して 偏見もって 憶測たてても かまわない 私の姿 決めつけて わかったつもりに なって(……)

小さな縦書きの看板に 桃色の文字で「駐輪禁止」と書かれていたので ここでご飯を食べようと思い、隣のベンチに座って ふたつの巻きおにぎりを紫色の布から取り出した。 ベンベンたる、と どこか(……)