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小説

Year.2010

2010-12-31 17:05:39 世
母が言っていた これは母の言葉 母のうた 傲慢さが おまえの檻となり 尊さを失わせる 尊大な自我が みずからを 憐れみに浸らせ 生きることを 鈍らせる 今から 歌を(……)
(494文字数)

2010-12-31 16:56:19 鳥
空の星から 欠片が落ちて 鳥に変わって なきまどった  迷って  悩んで  苦しんで  流されないで  歩きなさい 鳥の羽は 白と金のだんだらで 小さな瞳が わずかに光(……)
(322文字数)

2010-12-31 15:06:08 蜂
この間、この公園の あそこらへんに 蜂がいたんです 小さな子が ぷっくりした手のひらで 赤いほっぺをなでながら 話しかけてきた (いつから居たのかしら) 彼は赤いはんてんをきて(……)
(903文字数)

2010-12-31 10:38:05 愛してる
リンゴは綺麗です リンゴの目は いつも、とおくを見ています : 呼び出された喫茶店は ココア色の壁に、ちぎれかけたポスターがはってあって 目をよぼつかせた老婆が頼んだ紅茶を運んでく(……)
(1789文字数)

2010-12-29 15:32:07 多くのこと
「分かっていない」を忘れずに  父さんが言った  父さんはパイプをくわえて  ぶんぶかぶんぶか 雲をだしてる 「分かっていない」が わからなくなると つらくつらくなるからね (……)
(143文字数)

2010-12-29 15:30:38 多くのこと
母さんが言った 母さんは石楠花を くちにくわえて、うたってる  「ありがとう」と  「ごめんなさい」を覚えなさい  それはとっても大事なことだから。 それぐらいいえるわ、っていった(……)
(140文字数)

2010-12-27 11:51:08 しろ
白い石が、ころんと転がって 太陽の下で、あったまってる それを見かけた、ちいさいアマッコが 白い石に、きいてみたんだ あんた何年いきてきた? あんた、わたしに 答えてくれる? 石(……)
(765文字数)

2010-12-26 11:51:18 いぬ
あれは俺を嫌っているらしい うまく、うまく ごまかしながら あの人を見ながら いぬがいった、ビー玉のような目が 青白く、ぎらぎらしていた。 おれはね、ずっと 誤解されやすいと感じ(……)
(431文字数)

2010-12-20 19:13:23 雪
雪が降って サンタがきて 明日は幸せになれるって 誰かがいっていた  誰も あなたの生き方を  決めることが 出来ない  誰も あなたの人生を  背負うことが 出来ない 涙(……)
(567文字数)

2010-12-20 17:40:11 信頼
月の方から星がながれて そしておちて、きえていった  あなたのつらさは  あなたにたいする  愛のなさ、信頼のなさ、誇りのなさから  生じております  まぁ 本当にひどい 自信を(……)
(525文字数)

2010-12-20 17:04:49 おてんとうさま
 自分の弱さぐらい  自分で担いなさい おてんとうさまが 言う 背に6つにならんだ点 点  弱さを こえたら  だれより だれより  つよくなれる おてんとうさまは 赤い羽を(……)
(136文字数)

2010-12-20 16:23:10 虫からの手紙
拝啓、ただいま 地獄におります たたかったことのない人は 戦う人の 何に戦っているのかも、 なにが つらいのかも 分からないのかもしれません 弱さを担う人は それ その時点で (……)
(387文字数)

2010-11-16 16:31:20 ビッチさんへのお手紙
ビッチさん 最近、またあなたにあったのよ どんだけ居るのよ、あなたは 歩くと必ず居るんだもの 犬も歩けばなんとやらじゃないけれど こんなにごろごろ居なくたっていいと思う ビッチさん(……)
(795文字数)

2010-11-08 12:33:30 茶色の歌姫
歌姫が、歌っているので 茶色い変なにおいのする水を買って 前の席にすわりました 誤解して 偏見もって 憶測たてても かまわない 私の姿 決めつけて わかったつもりに なって(……)
(517文字数)

2010-11-08 10:45:25 蛇さんと私
最近のことです 真っ白の日差しの中 湯気立つ森で蛇さんにお会いしました 蛇さんはしゃーしゃーと舌をだしながら くつろいでらっしゃるので、つい私は 真実をおっしゃっているのに なんだ(……)
(494文字数)

2010-11-08 10:17:03 蛙さんと私
ある日、名の無い池のほとりで 白い蛙さんが 私を見上げていらっしゃいました そこで私は ちょっと 一つ二つのお話をしました 私は善き人でありたい と、申しましたら 「よほど気を(……)
(420文字数)

2010-10-25 15:53:40 薄鬼
私はてっきり、 人はみな、知っているんだと 思っていました。 知っていても 暗黙の了解とか 秘密の約束とか そういうことで、 分かっても、見えていても 口にしないのが、人のたしなみなん(……)
(2933文字数)

2010-10-24 18:12:33 嘘といけにえ。愚者の嘘
強くならなきゃいけないって ある日 誰かが言ったらしい そして強くなったふりをする あなたは弱いままだ 人は自分が悪くないと感じるために いくつもの言い訳と理由を考える 自分のことは(……)
(1737文字数)

2010-10-17 19:10:49 コール
子どもの頃 私は、 大人が何で子どもを 子どもで居させてくれないのか わからなかった。 「この数十年も生きてない 私のような子どもに 逆らわれたり 嫌われたりしたぐらいで お(……)
(2368文字数)

2010-06-13 20:49:25 小さな看板の話
小さな縦書きの看板に 桃色の文字で「駐輪禁止」と書かれていたので ここでご飯を食べようと思い、隣のベンチに座って ふたつの巻きおにぎりを紫色の布から取り出した。 ベンベンたる、と どこか(……)
(735文字数)

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