ずっとまえに
夜はあけて
胸に穴があいていたよ
水がたまり

金魚が、はいって
およいでいた

胸に穴があいて
みずのなかに
金魚 泳ぐ

後ろ足で歩きながら
前が、見えないと
言うけれど
後ろ足で歩くなら
前は、見えないだろう

しかし、よく
転ばないね

後ろ足で歩きながら
転びながら、あるいて
前が、見えないと
なげいて

しかし、よく
歩けるね

好かれたくてないて
雪崩おちて、くるしい
わからないから、わからない

つきの夜は
泣きそうになる
あんまりに
寂しい

つきの朝は
歌いそうになる
わからないけど
歌をうたう

春はあたたか
だけど、寂しい
かえるは
つちのなか
ふゆは、さむいから

春はあたたか
春をまつ 夢は
あたたかだろう

虫は春に
命を、もらう
春を、わかり

花は、ふゆに
命を、もらう

うそつきは
うそを、つくから

うその、せかいで

うそを、みて

うそがないと
うそは、めに
はいらない

せめた覚えさえなく
せめられたなんて
バカにした覚えもない
バカにしたなんて
そんなに、ひとが
おびていたとは
わからなかった

ふゆの、ことを
さくらが、しっていたよ
はなは、さむさを

まいにち、かんじ
はるの、ひを
ふかく、わかる

きづいたら、さいて
きづいたら、ちり

ふゆの、こと
はなは 知る
春よりも、ふかく
はなは 知る

忘れているだろう

そう、いう

忘れていないさ

こたえて、わらう

満月のそらに、
さくらは、うすく
きいろの、ひかりに
しろく、かがやく
満月の、そらは
だれかが、みあげ
この地が、あまりに
いきづらいから
泣くんだろう


満月の、そらに
さくらは、うすく
いつも、さいて
はなは、わらう

満月の、そらに

だれかは、わらう
きっと、この地が
あまりに、こわくて
なけないから
わらう

きみは、わらうけど
ないて、いたのは
きみだった

そんなに、そんなふうに
こわかったんだと
わからなかった

ごまかしは、きえて
うそは、うたに

いつだって、こわくて
きっと、こわくて

ごまかしは、きえて
うそは、うたに

傷つけた、手のひらを
わかったときに
はじめて、みにくさを
おぼえた

傷つけられ
わからず
きらわれ
わからず

傷つけた、わたしを
わかったとき
傷つけた、ことを
わかったときに


わたしは、よわいと思った

時は、またない
うしろ、うしろに
すぎる

こごり
おけば
ながしてくださる

時は、金色の川

うしろ、うしろに
ながれ
こごり、ながせば
ながして くださる

すすまないと、けしき
かわりやしない
現ではなく
現をみる、あなたを
すすまないと、みるめ

かわりやしない