ビー玉

寝転がって空を見ると
ビー玉のそこのように光っていて
きれいだなぁ、と思う

太陽ばかりみつづけると
目がくらむから
たまにそらして 地面を見て

下ばかり見続けると
影ばかり大きくなって
くらいことに気がついて
もういっかい空を見上げる

 "何を見ていたっけ"

とけないことや
わからないことが
おおいときは
たいてい そんなには
考えないほうがいい

正しいことが
決まりきらないこともある

 教えようとして 教えられないことに 気がついて
 学ぼうとして 学ぶことも できないことに 気がついた
 
 不明瞭な 不明確な
  確かに なんの、道筋のない
 あかりのない 道のりの中で
 
 ひとつ ひとつ
 自分のえらんだ行いが
 まちがっていたのか まちがっていなかったのか
 振り返るしかない

涙のあと 心のあとに
ついてくるものが いなくても
それは かまわない

 きっと 人のあとを すべておっていても
  わずかな差異で その人の生きる道が
  はじまって
 そのあとは なにもわからない 問いを前に
 ただ その人が 一つ一つ
 選ぶしかない

苦しみはなんだという
 誰とのかかわりから生じる問題
  それは ほかの誰と かかわれば 必ずうまれる

悲しみはなんだという ええ

 どんなことでも 人に嫌われるほうが辛いし
  人にさげすまれ いためつけられ わらわれ はずされ
  友とされないこと わかってくれないこと
   どんなに懐が広い人でも
 人からの痛みに 泣かないわけには いかない

 手がつながれ 手がはなれ また 手を求める 自分が嫌になる


空ばかり見て 望みばかり探していると
望みが見つからないことに あせってしまうから
目を下にして 泣いて また空を見る

青い空 土色の地面 草も花も虫も いきものも
 影のいろ 太陽の光 なにもかも
 かけたら それといえない


わたしたちは 同じ地の 同じ時を生きている
互いに できることは
互い違いの ことばと問いと答えを くりかえし
 くりかえし

 ありがとう ごめんなさい
  譲りあい 許しあい 求めあい 忘れあい 
  笑いあい 傷つけあい 苦しみあい
  わかりあい 泣きあい 抱きあい
もともと 明確な 手順など
 人の知らない この時の先にはなく
 あるように思えて 決め付けていただけ

 たとえ うまくいったとしても
 うまくいった偶然が 重なったのだと思う わずかな


そうだ
私と貴方が 違うのは
 互いに 必要だから

ほんのわずかな あなたとの重なりが
 まぶしいぐらいの 奇跡におもえる

それほど 人と人は 互いにいながら 遠い

 違いを差と思えば 差となり
  たんなる違いと思えば いいのに
   それすら できない
 苦しみ かなしみ
  人を見て 己を見て
   苦しまないわけにはいかない
  それでいいんだ

手がはなれ もう二度と傷つきたくないから
 求めなければいいのに
また欲してしまう
 自分がいやになる

あなたは私の答えであって 問いのような
違う学びをもつひと 教えを下さる人

ほんのわずかな偶然で 重なり合う  奇跡のようだ


 これが愛
2011-04-17 19:01:04