桃の木

やさしい風吹いて
金色のタンポポ揺れる
あさひ のぼったばかりで
それでもあたたかい

日のひかりは金をおびた桃色で
ほんのわずかに、
桃の香りがする

 人はみな
 愚かだから
 愚かになるか
 愚かになれずに醜くなるか
 ふたつにひとつ

そういうふうに あの人わらって
やわいほほに
えくぼができた

えくぼできていていいなぁ、と思う
あの人のほほも、あさひいろ
金いろ、桃いろ

 言って出来たら
 苦労はしないよ

口をとがらせたら

 力はそんなにいらないよ

ふうふ、って笑う
たんぽぽ うぶげみたいに
白くなって飛ぶのを待っている
そういえば
子供の頃、これをつんで
ふうってふいて
きゃあきゃあいっていた

いつの間に 心踊らず
ただ、ああ、白いなぁ、なんて
思うようになったんだろう

 考えないでいきなさい
 考えるから
 わからなくなる
 あなたのことも 人のことも

欲をかけば醜くなるし
愛によれば愚かしい

私ねえ どうしても
エゴがぬけられない
私は なんだか
すごいのよって
本当に口に出すと おかしいよ

そしたら あの人また
ふ、ふ、ふって
笑ったんだ

 誇りながら
 歩みながら
 愛し方を学び続ける

 人はみな 愚かだから
 固執すれば 醜くなるし
 開放すれば 愚かしい

 笑われて 笑ってみせたらいい感じ
 愚ろかになれたら
 真意がわかるよ

  こだわりなくして
  突き抜ければいい

 みんな 正しいわけでもなくて
 あなたが 正しいわけでもない

人も この世も
恵みの中におとされて
人は 自然のなかのひとつ
恵みの一つ 愛の一つ

 これがなんだとか
 あれはどうだとか
 考えないでいきなさい

 ああ、いやだなぁとか
 ああ、いいなぁ、とか
 それでいいのよ

 人も 自然も 恵みの中
 恵みのひとつ 愛ひとつ
 必死になって できなくて
 こだわりすぎて 見失う

それよりわらって お茶でも飲んで
ばかばかしさに 笑いなさい

 笑えないなら 泣きなさい

この世は 恵み
人はその中 愛のひとつ

おまえだけに 与えられた
何もかもかは どこにもない
おまえは たがいに
 咲き誇りあう 人の中のひとり ひとりの人

 おまえだけの おまえもいないし
 おまえだけの 力もなくて
  人とお前のおもいにのれて
 はじめて人は
 この世 愛する 力となれる


 人は自然 自然の中のちいさな群れ

 嫌われるのが怖いの

ええ

 役に立てないのが怖いの

ええ

 お前は お前よりほかにいない
 あの人も あの人よりほかにいない

 人も おまえも お前では動かせない

  かかわりかたを 学びなさい


 力を抜いて
 笑いなさい 泣きなさい

 ちからをこめて こだわりすぎる
 だから 怒りがたまるのよ

愛しすぎてやばいわあ
2011-04-30 18:31:35