しかし

猿の告白でした
猿はペリカンのくちばしをつけていました

たくさんの納得が出来ないことはあるのですが
だけど、私は、私が悪いところを
なぜかとてもよく分かっていて
受け入れられなかったことも
なぜかはっきりと自覚していたのです
そして、それはもちろん
受け入れて欲しくはなかったのです

猿のペリカンのくちばしは
黄色いペンキで塗られていました
それは嘘のくちばしだったのか
それとも、嘘で隠さなければならないほど
辛いおもいの
くちばしだったのでしょう

しかし私は 私の悪いところを
はっきり目撃したのでした
それはあくどい顔をしていました
そしてそちらに転んでいったら
どうなるかさえ
すぐに、はっきり
見えたのでした

 わたしは 私の悪鬼の顔を
 はっきり みることが
 できました

はあ、と
長い長いため息を
猿は口から漏らしました
はあ、あ、あと
猿は長く長く息を吐きました

しかし、私は私に疲れたのです
ですからここで少し休むのです
ちょうど、酒もあるのです
ひょうたんのびくです
そして、これは覗くためなのです

私のすがたを
見るためなのです
2011-08-03 20:07:26