ヒイラギ

ヒイラギの葉を
あんでいたら
何か泣けてくるようで
空を見上げたら
白い白いおおきなものが
ゆっくり飛んでいて
なにか なけてくるようだった

 現実はどこまで
 現実なんだろうと
 思うのです

 わたしは どこまでいっても
 自分の現実しか
 知ることが出来ない

ひとはみな
そうでしょう

 どうして自分の現実が限界があって
 どうして自分は限界があって
 だから他人が大切なんだと
 だから
 ひとり とじていてはいけないと
 わからないのでしょうか

 私はやるせない


いつも人はみな
大変そうで健気に
健気に
ヒイラギを編んでいた
あんなに健気な人たちが
泣くようにしたのは
だれなの


どうして他人を大切に出来ないの

ひいらぎを編んでいたら
私の中にあったものが
ひとつずつまた
編みあがっていって
ああ、なにもかも
いらないものを捨てて生きたいと
おもった

 よくよく欲 欲 欲
 いらない言葉 捨てて生きたい


どうして他人を大切に出来ないの




自分の弱さにたまに
いらいらして
編めないヒイラギをみつけて
ぐるぐる、痛いようにおもう


大声でたまに
叫びたくなる

「あの アホな 人
 あの あほな 人
  あの あほお」

誰にでもある良点をみぬけず
ただ 誰にでもある悪点に
だれもがおぼれ
その悪臭におぼれ
良点を わからず 悪点ばかり のばしていく

 ひとが ひとが ひとが

 悪点ばかり のばしている

いらだつ いらだつ

どうしておまえのよさを みつけようとしないの


たとえば醜さが
時隔てないと とれないのなら
あのアホオ そう たまに叫びたくなる

世の中の暗いくらい湖の中
ちいさな星がさんざめいている
たぶん 人の良点は
くろぐろした冷たい泥沼の
己のこころ
ただ、ただ
手を泥であらいながら
見つけ出すようなものだと思う

暗いくらい湖の中
ちいさな光 星がたくさん
たくさん ひらめいている

大きな鳥が
おおぞらを
ゆったりいききし
あほお あほお と
泣いている
2011-11-10 21:34:57