空の歌

さかりさから
さかり さから
あなたの歌が
空を飛び
私にながれ
くるくる ながれ

わかっているのか
わからないけれど
貴方が 好きです

―― きっと 人を傷つけ
 それでも 捨てられない正しさなら
 正しさなんかじゃ ないと思ったのです

―― なっとくなんかしていない
 忘れられない どうして ばかり
 知りたかった 歩み寄りたい

―― 倫理観にあわない人も居た
 劣悪だっただろうか
 私と比べて
 わからないけれど
 みんな、似たようなもんだった

―― だけど 傷ついて
 わらえるほど
 つよくは なかった

あなたは
ただ、何も言わずに
話を聞いている

たまに
気がむいては
うたをうたって
私を見ている

花がひらいて
きらきら光る
今は目が みえないから
下の方にある
ただ かすかな
ちいさな粒 白い真珠のような粒
花 いくえもの白い花
それだけが わかる

おなかのなかには
空があるんだよ
わかっていたかな

あなたが いった

―― 正しさを捨てて
 それでも
 まちがいを背負う人を
 わからせることが
 できますか

笑ってみたけど
からからだった

―― まだまだ進むよ人生は
 たのしいですね
 しんどいですよ

―― 疲れたら
 やすんでください

―― 忘れないでください

―― いつも

―― いつも

いつも

いつも

いつも 忘れないでください

どんなことでも
忘れないでください


―― 人の中にあなたは含まれている

あなたを どんなことでも
忘れないでください

しあわせも
ただしさも
よろこびも
まいにちを わすれないで ください

―― しあわせにしたい

―― あなたを 幸せに 出来ないなら
 だれも できない

―― 大切にしたい

―― あなたを 大切に できない人が
 だれを 大切に できるの

わたし
うなだれて
うなだれてたら
うなだれた私が
ばかにおもえて
笑いそうになって
見上げたら 空は
金色と桃色に
なみうっていて
地は どこまでも黒い闇
なのに、空は
金色と 桃色で
きらきら
なみうっていて
その光を受けて
白い花が
ちいさく
ひかりひかり
ひかっていたんです

わたしね
好かれたいとか
嫌われるとか
どうでも よかったんです

わかっていなかったのは
わたしでした

わたしはね 貴方が
笑って欲しいんです
生きていることを
よろこんでほしいです

それは とても
難しいことですね
おせっかいです
むずかしいもの みんな
違う不遇が
つきまとい
簡単に よろこべるわけ
ないじゃないか

わかっていたんです


―― 正しさを捨てて
 それでも
 それぞれの理由を背負う人を
 わからせることが
 できますか

あなたが
笑いながら
いうから
苦しくてさ

ゆずれないことなんか
たくさんあるし
納得なんか
できないし

わかったことも 少ないです

―― 愛しております

立ち上がれば 空は高く
黒い地に
花は咲き
空のいちばん上に
白金の太陽が
かがやいている

笑顔と、理解だけで
かまわないでしょう。
2011-11-25 20:17:11