戒 癒

真白い花がたくさん咲いていて
そのところどころに
ぼ、ぼつ、と
赤い花が
ぼってりと咲いております

こまかい雪が落ちて おちて
そういった花々のあいま
黒い地面に吸い込まれています

私は笑いながら
くるしいと 思いました

真白い月が
青くすきとおり
透明に黒くなる空の
その真ん中にあって
まるで 雪は
その中から降り落ちるようでした

どうしたの、
と いわれるから
ええ いつものことです
と、こたえました

すい込まれるような
雪、ひかりながら
とても、激しく
ひどく きびしい
さむさだと
思います

わたしは
あなたを
苦しめたくなる

どうして
そんなに貴方には甘いの
ただ 自分の都合の良いように
人を 動かしたいだけじゃない

どうじに
癒したくなる

あなたの目が
すべてをつかまえて
はあくし すいこみ

あなたのための 他などないのに

 どうしても 自分の目でしか ものが見えない

 人は

 ひとだから

こちらの思いは
さむすぎて
手さえ びりびりとしびれ
まるで動かない

ですから できるだけ
この思いに
よりたくは なかった

 あなたに とって で しか みえない よ なにもかも

 だから 目を

赤い花 白い花
白い花ばかりの中
赤い花は やけにめだち
その、金色めいた赤を
けむらせるように
白く細かい雪が
ふりそそぐ

風が出てくる

青くあおく 黒くくろく
ひたすらすきとおった空の
真ん中に 黄色い 月


あなたを 戒めたいと おもいながら
あなたを 癒したいと おもう

どうしてかは わからない
まだ見えていない たくさんのことがあって
まだ わからない

ひと を かえたいと 思う
2011-12-14 17:37:23