花の星
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短編[Year.2011]
2011
2011-07-08
19:09:09
希望
かみさまが いらっしゃるなら かみさまが なにをかんがえているのか きっと だれにも わからない ただ かみさまは きっと わたしたちの その どのこも どのこも たいせつな (……)
(501文字数)
2011-07-08
10:59:08
tegami
あなたへのこだわりを すてなさいと あなたは言う わたしは いやいや、 いやいや と なきながら くびをふる わたしがいっとうでないと いやです いやですと そうすると (……)
(711文字数)
2011-07-08
10:50:48
いのち
命のなかには 履歴書のように ながれがかいてあります 何年生まれ、なになにじん そんなものではないのです 命の中には たくさんの 古来命がつむいできた そのむかしが 永劫のむかしが(……)
(630文字数)
2011-07-08
10:38:38
千切れ雲
ちぎれ雲 千の雲 うろこ雲 千の雲 いとしいくも くも 千の雲 手をのばしても届かない ひととくらべない、というのは 自分で生きるということで むしろ 自分を探し(……)
(619文字数)
2011-07-08
10:22:12
いつくしみ
とにかくわたしは必死でした 紅い花、金の花、白い花をつんでは 鳥や獣に差しあげました そこにはたくさんの獣が居ました たくさんの鳥もいました 鳥は鳴いておりました 獣はつむいでおり(……)
(905文字数)
2011-07-08
10:03:42
秋の日はつるべおとし
山間のもみじの紅い森を抜けますと ちいさな暗闇の中に たきぎがあって まわりを、仮面のような 紙のような、大きなものをかぶった方々が どんつくどんつく踊っておりました それで私は 赤(……)
(593文字数)
2011-07-02
12:09:33
花
あなたは 私が我欲をもとめていると おもうから 私のことばの うらを 探ろうとする あなたは 私が特別扱いを もとめていると おもうんだろう だから 私の真意のうらを 探ろう(……)
(1210文字数)
2011-07-02
12:09:25
ふぐう
古いものを捨てなければ 新しいものが手にはいらない わたしが わたしの 幸せを ねがったとき 試練がむき出しに はっきりと 目の前に さしせまった それは こだわってきた (……)
(507文字数)
2011-05-24
16:29:41
愛は自由をあたえ、力をあたえる
ひとつ しるしや ひとつ 愛し ひとつ 求めや ひとつ あたえ ひとつ しるし ひとつ にない ひとつ あたえや ひとつ ひとり その、愛情の恐ろしさ わたしは、それ以上を知(……)
(1192文字数)
2011-05-24
10:37:36
おもいやりなさい
思いやりなさい って いうから 何で私ばかり って いったら 思い深い人は 思いやるほか 盾も剣も つくれない だから ひとを おもいなさい そういうから いやだよ あい(……)
(717文字数)
2011-05-19
18:49:23
花の実
この間、わたしは おかしくて 気がついたんです それで なんだか おかしかった あの 柘榴の実に なにが いるんでしょうか いったい、だれが なにを いえるんでしょう (……)
(709文字数)
2011-05-19
18:28:15
そら
たとえば いのりのような 雨がふっている たとえば 金色の 花が咲いている この世の愛を かぞえましょう 銀の波が くりかえし くりかえし 月の下で ゆっくりゆ(……)
(1329文字数)
2011-05-18
23:21:07
うた
私は、江戸っ子みたいになりたいんです 江戸っ子はね あれ 喧嘩と火事は江戸の華、なんてね そんなわけあるかあ、って どう考えても、そんなわけないことを 開き直ってるんです そういったら(……)
(1311文字数)
2011-05-03
17:50:56
風
鳥鳴いておりまして 風鳴いております あれ空の鳴き声 私には たくさんの 嫌なことが ありました 鳥鳴いておりまして 月は昼に隠れ 日の光さえ ときに 雲に みうしなう (……)
(562文字数)
2011-04-30
22:58:52
星
さっき子守唄聞こえたって ちいさいこがいうから どんなうた、ってきいたら お空の星が、またたいて ちいさな声でうたってたんだ っていう ちいさなこえで またたきながら 嬉しそうに 歌(……)
(626文字数)
2011-04-30
18:31:35
桃の木
やさしい風吹いて 金色のタンポポ揺れる あさひ のぼったばかりで それでもあたたかい 日のひかりは金をおびた桃色で ほんのわずかに、 桃の香りがする 人はみな 愚かだから (……)
(1350文字数)
2011-04-28
21:02:24
有難い
悩み続けることは 悩めるからかも しれないですね 雨粒おちる 空のすきま 虹はまだかからない 雲母 太陽 日の光 なにかを変える奇跡があるなら もしかしたら 愛なのか(……)
(638文字数)
2011-04-17
19:01:04
ビー玉
寝転がって空を見ると ビー玉のそこのように光っていて きれいだなぁ、と思う 太陽ばかりみつづけると 目がくらむから たまにそらして 地面を見て 下ばかり見続けると 影ばかり大きく(……)
(1473文字数)
2011-04-08
14:47:12
さくら
あか、もも、しろ あの子が、そう うたうから そらは? ときいたら うすあお、という あか、もも、しろの花のいろ うすいあおい真ん中に しろい、しろい 弓のような月 ほんのり(……)
(733文字数)
2011-03-29
17:25:35
つきあかり
喧嘩して、家をでて 走って走って、少し歩いて、つかれた さみしくなって みちっぱたで 壁にもたれて、 ああ、でも もうすこしいったら、 そういえば、土手原で 川が見えるとおもって (……)
(1208文字数)
2011-03-26
12:25:35
やわい
やわいやわい夜 ひかりごけのあとおって 湖についたので 布ほどいて そばにあったほそっこ枝に みみずつけて つれるかと、湖の中に ほおりこんだ 尚志がきて、後ろに座って 尚志はふ(……)
(1108文字数)
2011-03-26
11:50:02
稚魚
とるとるそとした魚臭い夕闇に 森の奥から 一人の青年が出てきて 髪の毛がきらきら薄い金色、 それで、わたしにむかって 水をください、というので もっていた桶の水を差しあげた 陽のしず(……)
(731文字数)
2011-03-26
11:33:19
おとな
「大人になったら 涙もろうなって、 大人なのに こどもみたい」 そういって、笑うから 竹竿おって、かんかんつけて かんかんかんかん ならしてみたら こどもみたい、と また笑う (……)
(532文字数)
2011-02-28
13:37:07
マギマギとキグキグ
海辺のふらゆらふらゆらと ささやかにながれる宇宙で キグキグとマギマギは手をつないでいる 森の中で 木がたおれて 誰も聞いていない 木の音 音は存在していたかどうかで 町(……)
(518文字数)
2011-02-13
11:06:58
陰陽混在 不倶戴天
月しずむ湖畔 男と女は歩いていた 女は うたをうたっていた この世 流るる 永い永いときの中 あなたは わたしを 育ててくれた しかし あなたは 想いを忘れた 知恵を忘れた (……)
(875文字数)
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