花の星
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Year.2012
1 page
2012-05-13
00:02:06
雨音
夜とともに ふりはじめた雨は ただひたすらにふりつづけ コンクリートでおおわれた道を 水にぬらしている くぼんでいるのか 道のまんなかに 水がたまり わずかに 流れている (……)
(915文字数)
2012-05-12
20:18:57
わすれもの
赤い花が 空にむかって 咲き誇り やわやわと あまい風に ふかれていた 蜜があまい花だ わたしはおもう 名前も知らない 蜜があまい花…… 壊れかけた扉をあけると すぐさき(……)
(1581文字数)
2012-05-12
09:38:05
モラリストたちのロンド
詐欺師は笑っています ものごしおだやかです 人を気持ち良くすることが どれほど、優位なことかを よくわかっています それは ドウゲと似ています だからドウゲは 詐欺師を みわけま(……)
(3373文字数)
2012-05-11
15:00:55
すみれ
まっぐらやみに あおいあおい菫が咲いて それが、ほのあかるく光っている その花びらの いちまいいちまいが やわらかく風にそよいでいる ここはどこだろうと 上を見たら ちかちかとまた(……)
(1067文字数)
2012-05-11
13:17:12
動物園
ひどく暗い動物園 蛍光塗料でもぬってあるのか、 けもののいる檻が 暗がりにとけかけるように うすぼんやりと光っていた オレンジ色の街灯は ところどころ消えかけ 光もあさい 今は(……)
(2774文字数)
2012-05-10
21:05:55
かわりばんこ
いちばんの ひれつは 自分が苦しさや 不愉快さや、いらだちで 人を苦しめ 苦しんだ人を見て、 よろこぶことだと思ったの あれは15の頃 ひどくつらくて 泣いていた つらいという(……)
(2694文字数)
2012-05-10
14:56:04
ちい
道路わきにたくさんの草があって あいまあいまにつつましく 白い可憐な花が咲いていた チイは履きなれない靴を ひきずるようにして歩きながら 今日も思い悩んでいる あれ、あれ あれ、(……)
(1414文字数)
2012-05-10
14:44:56
ともこ
さきにふった雨が すこしばかりたまり 黒いコンクリートを るうるうと流れていく どこからか 沢山の蛙がでてきて そのたまりにたまった水で あそぶように、泳ぎ回る いつ産卵したのか ち(……)
(1874文字数)
2012-05-10
13:19:07
ゆきおんな
道を歩いていたら きゅうに、ふぶいてきて まだ太陽のひかりがある中 やわらかな雪がふわふわ、風に流れおちてくる むごんで下を見ながら ぎゅっぎゅっと むちゅうで歩いていたあいちろうは (……)
(2274文字数)
2012-05-08
22:24:49
未来
赤い赤い月のはんぶんに すわっていた鳥がねぼけて かっこう、かか かっこう、とないて そのあと、 あ、まちがえた、と おれはかっこうじゃない じゃ、だれだっけ そう、つぶやく 真(……)
(1174文字数)
2012-05-07
13:45:20
シロフト
わずかに碧がかった 青いやわらかな さきたての草が おだやかな朝の風にないでいる やさしい音が さわさわと流れ シロフトは ふっ、と目をさます なにか妙なゆめをみていた…… その(……)
(2251文字数)
2012-05-04
19:49:03
月明かりのみずうみ
愛し子の頬をなでるような やさしいあたたかな風がふいている 5月はかおるというけれど たしかに、かすかな 草木と、あめのにおい もうすぐふるようと かえるのなきごえがする もうすぐふるよ(……)
(1503文字数)
2012-05-04
15:04:07
沼の歌
あたたかくおだやかな風が吹き その風に身をのせながら 煙るように雨が降る 大雨ではないけれど こまかいこまかい雨粒は それでもあたりを青く濁らせ 沼にふりそそぐ たえまない水の音(……)
(691文字数)
2012-05-04
13:53:35
ちいさなけもの
空はどこまでもすきとおり てっぺんのほうは水色で はしにいくほど深い青にながれ 真えんに地上を覆っていた おひさまもずいぶん機嫌がよさそうで 暑すぎも寒すぎもせず 穏やかに光り (……)
(1943文字数)
2012-05-01
09:18:25
かめ
まっしろい ちらちらと光る雪が 空から降ってきた ちいさな山のような 亀の背には 深緑色の毛が たくさん生えている その上に、雪がおりて とけてきえる 下にある甲羅は (……)
(713文字数)
2012-04-27
14:52:35
くさりば
まっぐろい影のなかに たくさんの木の葉が くさりおちていて 妙な臭いがする ――けものでもしんどりますかな…… たんあさんはそういって 木の葉集めで木の葉かき集める ちぎさんは (……)
(1015文字数)
2012-04-03
18:23:09
もくれん
ましろいトカゲから 人間に進化したラスラスさんは お手伝いをさがしたときに ひとつだけ条件を付けました ・うたがうまいこと その下には 丁寧な字で 「年齢、性別、体重不問」と (……)
(1547文字数)
2012-04-01
13:33:36
エイプリルフール
どうして 怒らなかったの そうたずねた時の 彼の声を おぼえている ひたすら しずかな声 僕は地獄を信じているだけです この日がくるたびに 他の364日は 嘘ついちゃいけな(……)
(1881文字数)
2012-04-01
09:28:01
トカゲのビル
やわらかなエメラルドグリーンの草のあいまに ちいさな、白いかれんな花がぽつぽつと咲いている それをつんではたべながら トカゲのシャンシャン=ビルはぼくにいう おれ、おまえになら うられてもい(……)
(2953文字数)
2012-03-31
19:56:49
天気雨
朝陽が昇り始めた その光の中 けむるように小雨がふっている ――――天気雨だ 空を見ると 真白い雲のあいまから 桃色のひかり ――――天気雨だ 街並みは青にひたりこんで しん(……)
(1816文字数)
2012-03-30
15:14:13
私の檻
透明で かたい 私の檻 うちにうちに ふりつもるのは : ねえ、わたしね 一生で 【そういうもの】を はかれる機械があるのなら たぶん、女の子の平均は ある(……)
(2311文字数)
2012-03-29
20:58:50
はい、オッケー
いつんなったら ばかにされてないって わかるんかな ばかになんか されてないって こころに わかるんかな…… いつになったら 自分をあざける自分に 自分をみくだして きらう(……)
(2079文字数)
2012-03-29
15:59:07
春
ももいろの小さな花が咲き誇り それが、すこしすんとするかぜにのって 青の空をまっている おばあちゃんがびりびりした手で 私のほほをなでてから すこしつねって 私はおばあちゃんのはっかくさい(……)
(2562文字数)
2012-03-26
15:26:44
すきま
空は春めいていて うすいガラスのような 水色と群青の色に 花の香りが流れている 鳥がその空をとびかい 小さい奇麗な声で 楽しそうにさえずっている 誰と誰が はなしこんでいる (……)
(795文字数)
2012-03-23
13:41:45
かめ
りぐん、と まっくろいくちをあけて 巨大な亀が えさをくれるように、と りぐん、りぐんと 叫ぶ 紅い柱によすみをささえられ、 まるで塔のように くみあわされた足場の上 ばけつには(……)
(1891文字数)
2012-03-22
18:37:55
おかえりなさい
てのひらをにぎりしめ もう一度ひらくと あかい、あかい いろがついて 綺麗だなぁ、と思う なんとなく 手のひらを見ていると なんとなく 安心する なぜかは、わからない 並木(……)
(1144文字数)
2012-03-21
19:43:22
ひかれあうちから
手紙には はりつけたあと いちど、はがそうとしたのか よすみがねじれた切手に 赤のえのぐで拇印がおしてあった ゆうやみに沈む砂原 銀色にたくさんの砂が輝いている どこの海なのか つ(……)
(1604文字数)
2012-03-20
16:17:54
こがえるかえる
泉わきでて 透明にしずんだ影のなか とくとくとした 池のほとり 白い花びらを 金にかれつつ 花がさいている そのみずのなかに なにか金色のながい魚がいる たうたうと こもり(……)
(776文字数)
2012-03-20
12:08:36
鳥と蜥蜴
おさないころ きらいなものを わるいときめて きずつけるのが 勇気だった 強さだった 決めつけるのが りかいだった 従わせるのが 優しさだった あたたかな思いは 本能(……)
(1176文字数)
2012-03-19
15:33:36
なんでもない
あたたかな日溜まりのなか 白くながい蛇がひとついて 草間に空いたところから うっとりと空をあおいでいた 青くすみとおった空には やわらかくうすい雲がながれ よくみると 夜に遅れた星が(……)
(585文字数)
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