花の星
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小説
series:中編
2017
2017-03-27
20:39:39
恩師
はじめて、サキハタとなのる 銀髪の恩師の掌をみたとき なぜか、ヒルみたいだなぁ、と おもいました とてもあたたかくて ひとつも、怖くなかった、のに なぜか …… きれい(……)
(2080文字数)
2013
2013-07-31
11:57:02
悪魔の呪い
調べていくと、詠美の病気は病気ではなく 悪魔の呪い、だということがわかってきた と、東郷は浅く薄めた酒を飲みながらぽつりという 呪いということは呪った相手がいるということだけれども わかっ(……)
(3254文字数)
2013-03-15
16:08:00
勇者の離婚
魔王をすべての悪者 すべての元凶として たおせたら すべてが幸せになる それは多分 とても、きもちのいい おとぎ話なんだろう : 浮気は親族への虐待 そういったのは 誰(……)
(2116文字数)
2012
2012-06-06
13:19:54
フルーツ
電気の消えかけた図書館は もう100歳にもなるだろう よぼよぼの館長の 私設の図書館だという 公設の図書館より ずっと美しい世界を見せる 奇妙な本たちは ふかく偏っているが、 それ(……)
(2926文字数)
2012-05-23
10:00:00
れもん
満月のよるはきんかん 三日月のよるにレモン それぞれを 月がよく見える窓辺に飾ると 自分も月のひとつだと かんちがいして そのうち光だし もっとうまくいくと 思いこんだ力で うきはじ(……)
(1737文字数)
2012-05-22
14:33:37
竜
わずかに さきほころんだ花と くさりかけた葉と土 そのかおりをのせながら やわらかい風がふいている たくさんの水をふくみ あおあおと草は茂り その上を 小さな鼻さきでかぎまわりながら (……)
(2089文字数)
2012-05-22
01:13:28
ゼラチン士
柔らかな風が 薄く音を鳴らしながら 花の隙間を通り抜けていく 群で見れば 金色のかたまり さわさわと凪いでいる ひとつひとつの花は ゼラチンをうすめたように うす黄金色にすけて(……)
(3226文字数)
2012-05-21
12:16:13
花の絵
べつに、そう親しくもなかったように思う それでも家が近くて 朝陽がきれいだから、とか 夕陽がきれいだから、とか 山鳩がいるから、とか たまごをみつけたから、とか そういったことで遊びに誘え(……)
(2289文字数)
2012-05-12
20:18:57
わすれもの
赤い花が 空にむかって 咲き誇り やわやわと あまい風に ふかれていた 蜜があまい花だ わたしはおもう 名前も知らない 蜜があまい花…… 壊れかけた扉をあけると すぐさき(……)
(1581文字数)
2012-05-12
09:38:05
モラリストたちのロンド
詐欺師は笑っています ものごしおだやかです 人を気持ち良くすることが どれほど、優位なことかを よくわかっています それは ドウゲと似ています だからドウゲは 詐欺師を みわけま(……)
(3373文字数)
2012-05-11
13:17:12
動物園
ひどく暗い動物園 蛍光塗料でもぬってあるのか、 けもののいる檻が 暗がりにとけかけるように うすぼんやりと光っていた オレンジ色の街灯は ところどころ消えかけ 光もあさい 今は(……)
(2774文字数)
2012-05-10
21:05:55
かわりばんこ
いちばんの ひれつは 自分が苦しさや 不愉快さや、いらだちで 人を苦しめ 苦しんだ人を見て、 よろこぶことだと思ったの あれは15の頃 ひどくつらくて 泣いていた つらいという(……)
(2694文字数)
2012-05-10
14:44:56
ともこ
さきにふった雨が すこしばかりたまり 黒いコンクリートを るうるうと流れていく どこからか 沢山の蛙がでてきて そのたまりにたまった水で あそぶように、泳ぎ回る いつ産卵したのか ち(……)
(1874文字数)
2012-05-10
13:19:07
ゆきおんな
道を歩いていたら きゅうに、ふぶいてきて まだ太陽のひかりがある中 やわらかな雪がふわふわ、風に流れおちてくる むごんで下を見ながら ぎゅっぎゅっと むちゅうで歩いていたあいちろうは (……)
(2274文字数)
2012-05-07
13:45:20
シロフト
わずかに碧がかった 青いやわらかな さきたての草が おだやかな朝の風にないでいる やさしい音が さわさわと流れ シロフトは ふっ、と目をさます なにか妙なゆめをみていた…… その(……)
(2251文字数)
2012-05-04
19:49:03
月明かりのみずうみ
愛し子の頬をなでるような やさしいあたたかな風がふいている 5月はかおるというけれど たしかに、かすかな 草木と、あめのにおい もうすぐふるようと かえるのなきごえがする もうすぐふるよ(……)
(1503文字数)
2012-05-04
13:53:35
ちいさなけもの
空はどこまでもすきとおり てっぺんのほうは水色で はしにいくほど深い青にながれ 真えんに地上を覆っていた おひさまもずいぶん機嫌がよさそうで 暑すぎも寒すぎもせず 穏やかに光り (……)
(1943文字数)
2012-04-03
18:23:09
もくれん
ましろいトカゲから 人間に進化したラスラスさんは お手伝いをさがしたときに ひとつだけ条件を付けました ・うたがうまいこと その下には 丁寧な字で 「年齢、性別、体重不問」と (……)
(1547文字数)
2012-04-01
13:33:36
エイプリルフール
どうして 怒らなかったの そうたずねた時の 彼の声を おぼえている ひたすら しずかな声 僕は地獄を信じているだけです この日がくるたびに 他の364日は 嘘ついちゃいけな(……)
(1881文字数)
2012-04-01
09:28:01
トカゲのビル
やわらかなエメラルドグリーンの草のあいまに ちいさな、白いかれんな花がぽつぽつと咲いている それをつんではたべながら トカゲのシャンシャン=ビルはぼくにいう おれ、おまえになら うられてもい(……)
(2953文字数)
2012-03-31
19:56:49
天気雨
朝陽が昇り始めた その光の中 けむるように小雨がふっている ――――天気雨だ 空を見ると 真白い雲のあいまから 桃色のひかり ――――天気雨だ 街並みは青にひたりこんで しん(……)
(1816文字数)
2012-03-30
15:14:13
私の檻
透明で かたい 私の檻 うちにうちに ふりつもるのは : ねえ、わたしね 一生で 【そういうもの】を はかれる機械があるのなら たぶん、女の子の平均は ある(……)
(2311文字数)
2012-03-29
20:58:50
はい、オッケー
いつんなったら ばかにされてないって わかるんかな ばかになんか されてないって こころに わかるんかな…… いつになったら 自分をあざける自分に 自分をみくだして きらう(……)
(2079文字数)
2012-03-29
15:59:07
春
ももいろの小さな花が咲き誇り それが、すこしすんとするかぜにのって 青の空をまっている おばあちゃんがびりびりした手で 私のほほをなでてから すこしつねって 私はおばあちゃんのはっかくさい(……)
(2562文字数)
2012-03-23
13:41:45
かめ
りぐん、と まっくろいくちをあけて 巨大な亀が えさをくれるように、と りぐん、りぐんと 叫ぶ 紅い柱によすみをささえられ、 まるで塔のように くみあわされた足場の上 ばけつには(……)
(1891文字数)
2012-03-21
19:43:22
ひかれあうちから
手紙には はりつけたあと いちど、はがそうとしたのか よすみがねじれた切手に 赤のえのぐで拇印がおしてあった ゆうやみに沈む砂原 銀色にたくさんの砂が輝いている どこの海なのか つ(……)
(1604文字数)
2012-02-29
19:30:49
塔
やわらかなぬくもり 隣にいて、いすぎて とても うとましくなっていった : 赤い色のちいさなきのみが 森のあちこちに実り 地におちたり、腐ったりしている 私たちは その実をひ(……)
(1588文字数)
2012-02-29
17:16:16
劣悪
呪わない うらまない にくまない : 林道をぬけたところに ちいさな公園があって たいていは誰もいないので よく、ひるやすみに 陽射しにあたたまりにいった 日のひかりに背(……)
(1616文字数)
2012-02-28
21:47:09
願い事
せんじつ ひょんなことで 足の裏を見ていたら きみ、あれにも しわがあるんだね そのしわが、 やわらかくながれている あれが俺を支えているのかとおもったよ そう焼酎は呟きながら (……)
(2016文字数)
2012-02-22
18:51:14
極
人を 愛そうとおもい 愛する資格が 無いのに気がつく : まっくろい海辺に たくさんの花びらを散らして たんぽぽのような、黄色い花が咲いている ようくみると それらはたんぽぽで(……)
(2855文字数)
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