花の星
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2016
小説
Year.2016
2016-12-23
21:41:34
くだらないこと
「馬鹿ですねぇ」っていうんですね なゆさんは 馬鹿ですねぇって その馬鹿ですねぇが 聞きたくて しょっちゅう訪れていってしまう おでん屋なんですけどね …… 老婆とロバが話(……)
(1460文字数)
2016-12-14
17:41:30
親方さま
「また、低級霊といわれてしまって」 罵られて切りつけられた 真っ赤な花が ひとつ、ふたつ ふら、ふら、と 咲いては散っていく また、時がやけにはやい 床をふむたびに しぎり、しぎり(……)
(1059文字数)
2016-12-14
17:02:04
石と暮らしている
楓さんはちかくにすむ蛙の方だ 出された日本酒を ちびちびのみながら はるあみとなのる 鳥のかたとはなしてる ーー文句言いたくなるようなひとをみて 文句こさえている間はあかんよ…… 上(……)
(1267文字数)
2016-12-09
16:46:32
村のストーンヘンジ
柔らかな雪のうえにさうさうと 静かに白い雪がふりおり とけこむように つのっていく 静かな蛇がそのうえを しゃうしゃうと すべりゆきます ~~現実はことなりましょう…… ど(……)
(1002文字数)
2016-11-25
16:40:38
鬼と酒
静かに花が咲いておちていきます その音を聴きながら 鬼からもらったお酒をあたため 準備をしています 今日はたくさんのお客さんがいらっしゃる あと数時間もしないうちに この家はさまざまな(……)
(1020文字数)
2016-11-18
05:08:58
大きいさんと小さいさん
小さいさんはかたくなでありまして 『どこからでもかかってきなさい たー!』と 小さな棒をふりまわすのですが 目をつむっている 目をつむっているから 棒がむやみにふりまわるのです ふりまわ(……)
(699文字数)
2016-11-17
18:09:06
臆病
知らないままでいられないのは 怖いからです 確かめるより、決めつけるのは 怯えているときに そのほうが、はやくて 楽だからです …… みちばたに よごれて、まるまった毛布をまえ(……)
(1747文字数)
2016-11-16
15:08:32
石の砂漠
微かな臭いが流れている 砂の上に一足おいて 男は鼻をならした 雨とはことなる ああ、ここらへんはきっと 砂の、においが 濃いんだろうな…… 石には臭いがあることを この間知った(……)
(1014文字数)
2016-10-22
21:52:11
軽蔑さん
嫌いなひとが きえはてたら 自分も きえはてるような 生き方を してないか : ふと、軽蔑をさえずる鳥が おとずれて 延々、呼音する 『否定できるものに 自分が依存し(……)
(418文字数)
2016-09-15
05:03:26
雨
外はあめがふっていて 少し寒い 庭のアジサイが 花のまま 枯れていた 花のまま、 腐り落ちる 花のまま 枯れておちる ゆかなぎは 花が好きだ 「ただいまもどりました」 (……)
(938文字数)
2016-09-07
14:34:29
幸せ
ふと、なんとなく あの、おみくじが多い神社に おみくじ ひきにいきましょうよ、と とりさんに言ったら 幸せになりたいの?と 聞かれます 幸せになるアドバイスほしい……? 健康的(……)
(576文字数)
2016-09-07
14:14:50
なめくじ
ゆかなぎの家のお風呂で なめくじが溺死していました 珍しい…… 知らずに沸かすところでした 湯船の蓋をあけたら 透明な水のなか 底のほうに 溺死していました すこし肌色の (……)
(628文字数)
2016-09-03
07:45:14
老魔
「いいえ、慈愛です」 老いた悪魔にみえるひとが 杖をついて、はねをひろげていう 口が歪んでいる 異様におおきな目が 息づくように ぐうぐううごく 自分でも 信じがたいことだが (……)
(632文字数)
2016-09-03
07:11:59
巨怒
世界は反応する : まっぐろい蝕手が 地面の下から生えて蠢いている ご、ごご、ご、 なっているのか ないているのか それは蠢きながら音たてる よくみると 黒いのではない (……)
(652文字数)
2016-09-02
08:37:23
ゆかなぎととりさん
おきると とりさんがうつむいて覗きこみ わたしの首をさすっていた 顔がすこし 心配そうにくもっている それで、いままで ねむっていたことを しった 変な夢をたくさんみたよ 目(……)
(277文字数)
2016-09-01
16:22:44
遠雷
神秘は ある、とか ない、とか しんじつ、とか うそ、ではなく 体感させようとおもったら わりと容易い : たのもう 誰かに言われた気がして 返事をしながら 玄関まで(……)
(530文字数)
2016-08-31
19:07:34
白い象
白色の象がいて 静かに流れる川に 釣糸を垂らしている ほんのわずか、濡れたような瞳に あたたかな色をたたえている さかながつれたら たべましょうか そう、いわれる 川はたん(……)
(510文字数)
2016-08-31
17:56:03
忌まわし坊主
歩いていたら 赤と青を彩りながら やわらかなほむらが たら、だら、どら と、電信柱の横に やわらかに おどっていた ひとりのひとが そこの前に座って 炙られるように 笑っている(……)
(950文字数)
2016-08-31
15:33:48
白毛猿
特別、のまえに、盲目になり 力、のまえに、盲目になる 考えないもの、を かれらは 欲する 飢えているものは ひとを、喰いたがる : とくべつなちからだ とくべつなちか(……)
(950文字数)
2016-08-30
08:57:52
あいなりや
甘い金の花が 青い深い空から垂れ下がり 金色のはなびらを ひとつ、ふたつ 風に吹かれて 舞いおとしている ひとりのひとがきて そのうでのなかに 子供を抱かれている ひとりのひとは(……)
(406文字数)
2016-08-29
20:56:40
トラップ
道を歩いていると 獣の女と獣の男がいる かれらの 爪はびかりびかり光る金色で わずかに血がこびりついている 自らのないものが 空虚に藁をつかむ 藁をつかんで 溺れて沈む あの(……)
(1328文字数)
2016-08-29
09:02:10
それがひとのいいところ
杖をつかれたものが えっちらおっちらと 崖を越えてくる それを見ながら お茶を飲んでいた 茶屋についたとたん かれは背のびをして うんうん、あん。とうなった それから、やあ、つかれ(……)
(806文字数)
2016-08-27
12:43:19
ねがい、かなうなら
目を覚ますとお侍さまがいた きれいな刀で なんどか、躍りを踊られる 刀はひかり。ひかり ひかりが、蛇のように ながれ、くねり、 お侍さまのとめる息 はく息あわせ ぼうっとつよくなり(……)
(1830文字数)
2016-08-27
09:19:38
救い欲
『特別になりたい』だったら きっと まだ、ましなんだろう 途中で、どのみち 特別にはなれないことに 気がつくから : 温かな日差しも やわらかにおち もう、肌寒いような夜が来(……)
(1274文字数)
2016-08-26
09:19:04
朝に起きたら
あさにおきたら きゅうくつな屋根裏にいた ゆかなぎは、自分の部屋と 上の部屋の、スキマだと すぐにわかった きみょうな音がして 真っ暗闇で 布や、紙がたくさんあった かれがいた (……)
(786文字数)
2016-08-26
09:18:44
とりさんと乳首
珈琲をついでふりかえったら とりさんと、そのそばに ネイティブアメリカンの方がいた 私も珈琲をもらおうと おっしゃる なにかいまは大変らしくて かれはいつも、忙しそうだ 怒り(……)
(394文字数)
2016-08-25
09:18:26
とりさんと溺れる者
たまに溺れているな、と かんじます 世界や、さまざまなことに 藁をもつかもうと てをふりあげれば たいてい、ゆかなぎは とりさんのあたまをつかんでしまいます 今日も、 わずかに(……)
(585文字数)
2016-08-24
09:18:10
とりさんと化粧水
興味がありましたので お酒で化粧水をつくりました かんせいして ドキドキしながらつけていたら とりさんが、俺にもつけてくれ、 というので ほほにパチャパチャつけました きゅうに、(……)
(232文字数)
2016-08-24
09:17:54
とりさんと食べ物
ゆかなぎは とりさんと、よく 喫茶店にいきます とりさんは スープとか カレーとか好きです たまに、ほかのかたがいて そういうときは とりあいをしています (とりだけに?) く(……)
(414文字数)
2016-08-24
09:17:43
ゆかなぎととりさんの人物紹介
どことなくゆるやかな日 とりさんは金色のかんむりをつけて そらをみたり、そらのもっと ふかく遠い、遠い空の星を見たりして たまに、ないています 今日はさきほどまで とりさんと 銀凪ぎ(……)
(436文字数)
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