花の星 >> 小説 > (短編)

小説

series:短編

1 page

2012

2012-07-24 23:20:18 貝殻に
やわらかな ただ、さむさむとした 海辺のほとりで 白い白い綺麗なかいがらが ゆめをみていた 淡いぱちぱちとした はぜるような夢 おぼつかず 見たり覚めたりしていた ゆめうつつにも(……)
(625文字数)

2012-07-24 10:00:00 虹の川
彼女は柔らかな空をみていた ちいさな鳥がなんびきもつらなり、飛んでいた。 かなしいこえがぱーお ぱーおと響いていた : 暗がりの小さな水辺 あたたかい炎が 燃えている オレ(……)
(923文字数)

2012-07-23 10:00:00 さかな
つきあかりのあかりだまりは うす金のおだやかな色合いで そこには目に見えない あかとあおのさかなが 二つ泳いでいました あかのさかなが ほおあ、あお、あお となきますと あおの(……)
(598文字数)

2012-07-22 10:00:00 とりのこ
あいいろの水の上に しずかにしずかに 黒い木のみが流れていて そのなかから 小さな歌声が響いていました ていていちんちえ ちていててていいいてい 黒い木のみの半分が くりぬかれ(……)
(1025文字数)

2012-07-21 09:45:24 ふくろう
空は真水のようにうすく 透き通って しずまりかえり まるで昼のように明るい夜 まんなかの上の方にある お月さまは やわらかなあめ玉のように 白く甘い金色をまとい きらきら ちかち(……)
(1033文字数)

2012-06-07 17:52:08 石鹸の手
やわらかな すなまじりの雨がふっております 砂は金色で しずみかけた陽にあたり、 ちかり ちかりと ふりおちています あまい桃のような音色で かえるが けえ、けえこ けえ、けえ(……)
(1028文字数)

2012-06-06 17:33:28 モウコ
風がだいぶ流れ、はやくなり そうして家につけておいた鈴が らんらんりんりんなりますから モウコは髪をしばっていた縄をといて 外に歩き始めました 風が良い日は 髪をほどくのがよいのです (……)
(516文字数)

2012-05-28 14:33:12 ヒノカワ
青い青い空の下 こまかい銀色の雨が さあさああと眠り歌のように 音をたて降りそそいでいる 小さなお子は まんまるい手のひらで 赤いビニール傘をきゅうっとにぎって ビニール越しに見える(……)
(870文字数)

2012-05-26 13:58:47 両性類の会合
まっぐろい池のほとりに 白い花がたくさんさいている 色濃い緑の葉が 影のように覆いかぶさり 花の白だけほの明るい 風がおうおう、おうおうと流れ あまりの大きな音に 会合の地にいこうと(……)
(1489文字数)

2012-05-24 22:05:42 すもも
あかい あかい、きれいなすももをたべながら ももももももももも なにがいいたいのか、 そう、つぶやく すももも、ももも、もものうち? そう、それ すっ かじったとたん すっぱ(……)
(844文字数)

2012-05-24 10:00:00 がとんぼ
まっしろなくもが たゆんたゆんとながれ 金色の星をかくしたり、 だしたりして あそんでいます ちいさながとんぼが さきほどふった雨あとの 空をうつすみずたまりに さっそく足をつけていま(……)
(1075文字数)

2012-05-24 10:00:00 くじら
しろげのたくさんはえた 茎のあおい草が 夕日が沈むにつれ 深くなった風にあてられ ぞおぞおとないでいた あたりいったいに 雨のにおいがふくまれ ひんやりと肌寒い つかいは 片(……)
(1049文字数)

2012-05-23 10:00:00 竜のうた
そのしょうにゅうどうは 美しい水晶があちこちにたちならび また壁は真珠のように白くなり いつも、きらめく光に あふれていました それというのも 天井の、いっとう遠くの 垂れ下がった岩(……)
(1057文字数)

2012-05-13 00:02:06 雨音
夜とともに ふりはじめた雨は ただひたすらにふりつづけ コンクリートでおおわれた道を 水にぬらしている くぼんでいるのか 道のまんなかに 水がたまり わずかに 流れている (……)
(915文字数)

2012-05-11 15:00:55 すみれ
まっぐらやみに あおいあおい菫が咲いて それが、ほのあかるく光っている その花びらの いちまいいちまいが やわらかく風にそよいでいる ここはどこだろうと 上を見たら ちかちかとまた(……)
(1067文字数)

2012-05-10 14:56:04 ちい
道路わきにたくさんの草があって あいまあいまにつつましく 白い可憐な花が咲いていた チイは履きなれない靴を ひきずるようにして歩きながら 今日も思い悩んでいる あれ、あれ あれ、(……)
(1414文字数)

2012-05-08 22:24:49 未来
赤い赤い月のはんぶんに すわっていた鳥がねぼけて かっこう、かか かっこう、とないて そのあと、 あ、まちがえた、と おれはかっこうじゃない じゃ、だれだっけ そう、つぶやく 真(……)
(1174文字数)

2012-05-04 15:04:07 沼の歌
あたたかくおだやかな風が吹き その風に身をのせながら 煙るように雨が降る 大雨ではないけれど こまかいこまかい雨粒は それでもあたりを青く濁らせ 沼にふりそそぐ たえまない水の音(……)
(691文字数)

2012-05-01 09:18:25 かめ
まっしろい ちらちらと光る雪が 空から降ってきた ちいさな山のような 亀の背には 深緑色の毛が たくさん生えている その上に、雪がおりて とけてきえる 下にある甲羅は (……)
(713文字数)

2012-04-27 14:52:35 くさりば
まっぐろい影のなかに たくさんの木の葉が くさりおちていて 妙な臭いがする ――けものでもしんどりますかな…… たんあさんはそういって 木の葉集めで木の葉かき集める ちぎさんは (……)
(1015文字数)

2012-03-26 15:26:44 すきま
空は春めいていて うすいガラスのような 水色と群青の色に 花の香りが流れている 鳥がその空をとびかい 小さい奇麗な声で 楽しそうにさえずっている 誰と誰が はなしこんでいる (……)
(795文字数)

2012-03-22 18:37:55 おかえりなさい
てのひらをにぎりしめ もう一度ひらくと あかい、あかい いろがついて 綺麗だなぁ、と思う なんとなく 手のひらを見ていると なんとなく 安心する なぜかは、わからない 並木(……)
(1144文字数)

2012-03-20 16:17:54 こがえるかえる
泉わきでて 透明にしずんだ影のなか とくとくとした 池のほとり 白い花びらを 金にかれつつ 花がさいている そのみずのなかに なにか金色のながい魚がいる たうたうと こもり(……)
(776文字数)

2012-03-20 12:08:36 鳥と蜥蜴
おさないころ きらいなものを わるいときめて きずつけるのが 勇気だった 強さだった 決めつけるのが りかいだった 従わせるのが 優しさだった あたたかな思いは 本能(……)
(1176文字数)

2012-03-19 15:33:36 なんでもない
あたたかな日溜まりのなか 白くながい蛇がひとついて 草間に空いたところから うっとりと空をあおいでいた 青くすみとおった空には やわらかくうすい雲がながれ よくみると 夜に遅れた星が(……)
(585文字数)

2012-03-18 18:48:37 虎
虎がいた サーカスから逃げてきた草食の虎で 銀に見間違うばかりの白い毛並みをして エメラルドグリーンの竹林にすんでいた 竹林は夕陽がさすと金色になり 朝日が昇ると桃色に光り たまに雨が(……)
(890文字数)

2012-03-18 09:56:00 孔雀
きんぞこ公園の地下には 名前のない水族館がある こしてきたばかりの三条に あんないついでにいってみたら、 ほどよくすいていて 観客は笑いながら歩き回っている スーパーの紙袋をさげたおば(……)
(1186文字数)

2012-03-16 15:46:21 うすぐもり
深いあおいそらに 真っ黒い細いみきを たいへんにのばして 梅が咲いています 白い梅はまだ蕾もありながら さきはじめた花花を 風のなかにあてて ここちよい薫りを漂わせます かたむいた(……)
(1378文字数)

2012-03-14 15:46:01 子
泣いている子がいたから 赤いマフラーをあげた その子はうっとうしげに 私をしげしげ見あげて なにこれ、いらないといった そうだね、と いっておいた ざんざらのあめが ばらばらに(……)
(1452文字数)

2012-03-14 13:00:00 こおり
耳の痛いような まっくろいよぞら 寒くて手先がふるえる さきに降った まっしろい雪が 地面にどろどろのだまになってる ちいさな学校のすみをとおったら その校庭にひとがいて それがお(……)
(1051文字数)

Page : [ 0 ] [ 1 ] [ 2 ] [ 3 ] [ 4 ] [ 5 ] [ 6 ] [ 7 ]
Year : [ 2018 ] [ 2017 ] [ 2016 ] [ 2014 ] [ 2013 ] [ 2012 ] [ 2011 ] [ 2010 ] [ 2009 ] [ 2006 ] [ 2005 ] [ 2004 ] [ 1999 ]
series : [ みえないもの ] [ みえないもの・闇 ] [ ショートショート ] [ 中編 ] [ 怖い話 ] [ 散文 ] [ 短編 ] [ 長編 ]
Tag : [ 天部 ]

花の星 >> 小説 > (短編)
Copyright © by mogiha(https://ahito.com/) All Rights Reserved.