花の星
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series:短編
4 page
2011
2011-12-14
16:44:35
雪
とても深い雪が降っていて とてもつもない 白い 白い世界に どろだらけの寒さ 痛みさえ 覚えた 私はただ ひとりきりでいて 隣に誰も居ないのは わたしが、そう 選んだからだと わ(……)
(775文字数)
2011-12-13
20:21:21
ame
りき りきりきと ねじがまわるような音がして それで あめがだーっとふってきた あま、びび そういいながら ひさしのなかにとびこんだら 隣に 鬼さんが居て 美しい金色の髪と 赤(……)
(973文字数)
2011-12-13
18:00:28
タワー
―― タワー みたいな ほら 遊ぶ道具があるではないですか そういう風です ―― ある程度 たかみまでつみあがれたら こわれ 形のない あいまいな 悩みに まいぼつし そのときに (……)
(791文字数)
2011-12-13
15:06:59
子鬼
秋がすぎさり 冬が来まして わたしは木の実をひろいながら 今日は栗ご飯にしよう、と思いつつも 栗がない 何故って冬ですから、栗はもうないのですが とにかく 栗ご飯にしようと思います ひ(……)
(709文字数)
2011-12-13
14:54:48
虎歌
まくろい渦の中に こまかいきらきらとした白い光がみえ それが笑いながらすわれているので あれはなんですか、と きいたら 虎はうすうすわらいながら あれは、くらげです そういう そら(……)
(1414文字数)
2011-12-12
21:52:19
とかげへびはな
これはトカゲ蛇花といいます そう、幾重にも 白い花びら 重ねて咲いた花を指さして あなたはいう うそ、 っていったら うん 嘘です なんていう ―― わたし 嘆いては いな(……)
(517文字数)
2011-12-12
20:38:56
夜
ただ、まっくらくの夜の空に 光ざわめく星くずが、 ちかちか ちかりと たくさん たくさん またたいておりました 貴方とふたりぽっちで なんにも話すことがなくて だのに 胸がひどく あ(……)
(637文字数)
2011-12-12
20:02:40
手前勝手
あわい 赤い、こまかい花に 小さな音を立てて 霧のような雨が ふりおちて 私は、さむいようだと思いながら 小さな舟の上 貴方とふたり 川を下っておりました 風は冷たく 凍えるよ(……)
(1471文字数)
2011-12-11
16:04:05
接吻
まっすぐな空のした 木々の中のすきまから かえるたちが、話している ―― 生まれる時に 一生分の痛みを あじわった気がした いたくて いたくて これがぬけたら ああ、ようやくおわ(……)
(816文字数)
2011-12-11
15:53:38
冬
小さな電話が鳴っていて それをみながら とかげのようだ、と 思った ただ、とったら 外にいるから出てこないか、という それで身支度をして たたたたた、と でていったら さむいね、と(……)
(855文字数)
2011-12-10
20:31:52
海蛍
へびが のたうちまわるのは 全身で じぶんを あじわうためです じぶんを、 あじわうためです そういったら あなたは 笑いながら まだ、ただ 舟のうえ ぎいこ(……)
(1033文字数)
2011-12-03
16:38:19
チンゲンサイさん
それで、彼の名前は チンゲンサイというらしく まくろい川が どうどうとながれ わたしたちはその上で 象げ色の舟に乗っていた その舟は、白金の月の明かりで だいぶぴかぴかしていて 黒い川(……)
(1386文字数)
2011-11-30
19:22:14
蛙ピョコピョコ
夜明けの空は 蓮の海の したにいるような やわらかな碧と やわらかな藍色 水色と 紫 わずかに桃色 優しい 金色 薄い雲が いろづきながら ながれ のこされた星が まだ、キ(……)
(695文字数)
2011-11-30
19:08:29
まく、
まくろい空に きれいなきれいな満月が ちらりと光 こまやかな星ぼしが ちかり きらり またたいておりました 風がいくぶん つめたく あなたは ハスのしたの 泥水にめぐり 蓮の(……)
(637文字数)
2011-11-27
19:44:29
もんだよ
―― もしかしたらさ 親切なんて 迷惑と にてんのかもね つきの夜 赤い傘 ちょっとさして 笑いながら 歩けば あなたは クスクス 君って 考えすぎて ばかだよね なんて (……)
(1108文字数)
2011-11-27
18:36:39
狂い桜
夜に狂い桜 八重桜 強い風さえない おかげさまで あつぼったく 散りもしない 白い白い いくえの 白い重なり 優しくなんか なりたかないな なんか わからん 貴方は (……)
(642文字数)
2011-11-27
18:18:18
ピリピリ涙
星がピリピリ 泣く夜でした 私はさんぽしていました 月は真白い半月で やわらかな光を したに投げかけていた ふっと 蛙がにひき はなしていました 白い蛙でした ――(……)
(1024文字数)
2011-11-26
00:01:26
ちょうちょ
闇に紫のちょうちょ とんでいた わずかに ひかりながら とんでいた 私は、あなたといて あなたは、川の水を たまにもてあそんでいた ぱしゃん ぱ ぱしゃん 川の水は白く (……)
(631文字数)
2011-11-25
23:18:31
ちい
ちいちいちい ちいちい ぱっぱ ちい ぱっぱ なんもできない かたすみで 蜜を吸う 蜂になりたい せめて できるひと 邪魔しないで いきたい 力つきて 感謝さえできず 疲(……)
(592文字数)
2011-11-25
20:17:11
空の歌
さかりさから さかり さから あなたの歌が 空を飛び 私にながれ くるくる ながれ わかっているのか わからないけれど 貴方が 好きです ―― きっと 人を傷つけ それで(……)
(1488文字数)
2011-11-19
10:13:24
赤い山茶花
赤い山茶花が 雨に咲いていました 夜はまだぐずぐずと 朝が来るのを 邪魔していました 怒っているの と 聞かれましたから ただ 怒りばかり 回っているのです そう 申し上げました(……)
(563文字数)
2011-11-17
12:31:47
鬼
夜分におそれいりますが と、鬼が入ってきたので ああ、いやだなぁ、と 思いながら 赤い赤い花を生けて そのまえで 茶を飲みあった ―― 怒りというのは 赤と黒のドグロドグで ぐろ(……)
(793文字数)
2011-11-10
21:34:57
ヒイラギ
ヒイラギの葉を あんでいたら 何か泣けてくるようで 空を見上げたら 白い白いおおきなものが ゆっくり飛んでいて なにか なけてくるようだった 現実はどこまで 現実なんだろうと (……)
(980文字数)
2011-11-09
13:27:52
実
朝川で根っこに栄養がある草つんでいたら からす天狗がとんできて おまえ、血だらけじゃないかと 薬をくれた からす天狗はとんでいったが その翼が真っ黒だった ―― さて 健気さが (……)
(793文字数)
2011-11-08
17:24:59
あっぱれな
どなたさんが 水をまいて 道路はてかてかひかかっててよ すこしやつれたきもちで 生きるなんてだいぶやっかいだとおもいながら 空を見上げたら 笑っちまうほどの あっぱれ晴れでよ なに(……)
(878文字数)
2011-11-05
21:48:24
流れ星
ざあざあと滝が流れ 落ちた先から流れの速い それでもすんだ川になり どうどうとまた、 水おしあげるように 大量に先に先にと、流れておりました みどりいろの美しいこけに 石石はしっとり(……)
(1423文字数)
2011-10-30
19:40:27
ゴーゴン
深い夜空に 髪がゆっくり動く女がひとり 姿は見えなかった ただろうろうとした 歌のような 声が聞こえた ―― 月はぎらぎらして まるで、魚の目のようでした あれは、つきですか そ(……)
(1135文字数)
2011-10-28
17:25:24
夕日の迷子
まっかな夕日の中でふと 迷子になっているように思い 手を探り 誰かいないかとおもったけれど たくさんの人はいたのに だれも、傍にはいなかった てええんてええんと たくさんの鐘が響いて(……)
(1496文字数)
2011-10-28
12:57:06
きらめき
きんきんきらきらの ちいさな木琴を きらきら ならすような こまやかな ちいさな 綺麗な音が 鳴り響いていました 私は河原にいて 白く光る花と 優しい光のつぶに あなたと手を (……)
(718文字数)
2011-10-20
21:47:59
りゃんりゃん
おなかを下にして よくあったまると あたたかな花が おなかの中に咲くようで、とても 心地がいいように思います 星空の上では 雲がいきかい ちか ちか ちかと またたいているようです(……)
(913文字数)
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