花の星
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series:短編
5 page
2011
2011-10-20
11:20:13
羊のよくある話
白い羊はもごもごと くちごもりながら いうのですが それが、なんと言う意味か わたしには わかりませんでした みんな 正しいのよ 自分がね みんな 正しいの 自分が みんな 正し(……)
(896文字数)
2011-10-17
21:13:37
海
―― 押し付けるものでも ないのよねぇ なんていいながら ぽてぽて 手をつないで まだ歩いていて 金色の砂漠のように 花が、いっぱいに 咲いている 空の真ん中に 月がぴか(……)
(505文字数)
2011-10-10
13:19:48
老婆
その老婆はいつしか私の隣に居て 私ががなりたてるのを ただ静かに、見ていたようだ やがて演説は終わり ひとり、ひとり 興奮冷めやらぬ顔をして 観客が去る 私も満足しきって階段を下(……)
(668文字数)
2011-10-07
21:20:25
呼音
金色のはちみつのような海 くりかえし 繰り返し のってりした波が よせては ひいて キラキラ光る 森は金の海の少し隣で いい月夜だと 空を見上げている 鳥がちいさなあくびを(……)
(547文字数)
2011-10-02
05:16:48
ラジオ
ラジオのボタンをひねったら どこにつながったのか 小さな電流がぴちぴちながれて 誰かの声に、つながった ―― ひとの のうは 考えていないんです あのね のうにながれる しなぷす(……)
(761文字数)
2011-10-02
00:01:50
取り戻せる
―― 今日ね わたしがいう あなたは、花畑の中で きままかってに 花を摘んで遊んでいる ―― きょうね こどもが、おとなを おこっていた とても、いらいらと おとなが、きらい(……)
(832文字数)
2011-10-01
23:43:39
視界
いつからか、 だれかが何かをみつけて それで自分の欲が満たされて とても良い思いができるので ちきゅうを おもちゃにして おもちゃではないのに すべてが ぼろぼろになっていくのも (……)
(1207文字数)
2011-10-01
23:34:28
つきあかり
まつの住んでいる町は 少し広くして、少し狭い おいしいグザイを売る店まで 行くのに30分はかかる だけど歩けば、 必要なものはたやすく、 その上少し安くそろう そんな風な町だった (……)
(1103文字数)
2011-10-01
21:26:30
白い猿
♪〜♪〜 心のきしみは 人間のいたみ 人間のいたみは人間の強さ ♪〜 誰かに 現実に 隣人に 思いあり力尽くす 人間の強さ ♪〜 憎しみにのまれないで ただ刻み 忘れないで ♪〜♪〜 人間の涙は 人間(……)
(972文字数)
2011-09-22
15:20:49
いう。
自分ができないことを ひとにいうほど みっともないことは ないのですから そう いう お と な は じぶんができることを わかりながら歩むものなのでしょうか ―― 月はき(……)
(533文字数)
2011-09-14
21:14:24
月光
やわらかな剣が ゆっくりそらから さしかかり 月とはなしていたら それが、ゆっくりたわんで わたしは、いま ないていたんだ きみは きみは わかってくれるだろうか わかってく(……)
(1056文字数)
2011-09-13
19:54:32
しろ
腹を下にねむっていたら 外では鈴虫が鳴いていた。 ただ、こまかいあめが ぽ、ぽ、ぽと おりてきて それが鈴虫の声とあいまって 星がながれおちてきたように思えた 起き上がり しばしば(……)
(648文字数)
2011-09-07
16:49:48
明け方の月
起きると明け方の月 しろく 薄明かりにかかる ―― 必要とされることが 望みだったに ちがいない ふと、そう思う いったい 必要とする人を 手に入れるより 必要とされる(……)
(924文字数)
2011-09-05
16:48:18
うた
青葉が山にしげり 香り高い実がなるころ 麓は霧が出て わたしは迷っていたよ 霧のなかは見上げても月は見えないし あかるくも暗くもない 道だまりに からからと からきしに乾いた枯れ葉(……)
(1065文字数)
2011-09-05
16:48:04
ナギとヤワ…黒い龍
……黒い龍が うろこ逆立てて 走り流れた ひずめに ひっかかれた空 われて 雷がひかり ひかり でも遠すぎて 音もなかったんだ ナギが話す ヤワはただ聞いている 霧の中、灰色 (……)
(1160文字数)
2011-09-02
20:25:05
ミルクの森
昔々あるところに、 ミルクでできた王さまが居ました おうさまは体も何もかもがミルクでした ただ体を保つために気合を入れて生きていました ある日、王さまは道端で転んでしまいました (……)
(863文字数)
2011-08-31
12:28:25
愛
私はこれが何の意味を持つのか知らない 金色と青の縁取りに彩られた子供、王さまの 目の中は金色に縦筋がはいっていて それは蛇の目だった 蛇は美しいように思えたが 少し恐ろしかった その(……)
(1015文字数)
2011-08-31
12:14:56
こころ
夕日はさんさんに 川べりにてっていて 川はたくさんの光を流して すきとおっていた 底にある小さな光る石まで 太陽の光をぴしゃりぴしゃりと光らせ 魚が楽しげに涼しげに下る姿がみえた そ(……)
(723文字数)
2011-08-30
20:00:41
虹
彼は柔らかな空をみていた ちいさな鳥がなんびきもつらなり、飛んでいた。 かなしいこえが ぱーお ぱーおと響いていた : 暗い夜だった 小さな森の水辺で 釣りをしている彼のそ(……)
(1237文字数)
2011-08-28
22:39:01
白雲
銀色の砂浜に やわらかな 太陽が 金の光をみたしていた ぴかりぴかり光る 砂を歩いて わたしは小さなかのかたと ふたりで散歩していた たどりついた白金の岩影から たくさんの滝が(……)
(875文字数)
2011-08-26
06:24:34
I not like you
人は、じぶんの都合のために いるわけじゃないですよ 亀さんが言いました 温かな霧雨が降っていました 霧の中に 月が浮いていました 晴れ雨、夜の晴れ雨 人に文句がある時は (……)
(1203文字数)
2011-08-22
19:58:30
業音
ざあざあと 雨が降っていました 木々の緑がびしょぬれになって 水滴のなか 頭を下げていました うすい、やわらかな白い花が その落ちてくる水に うれしそうに しずかにぬれていました (……)
(1255文字数)
2011-08-14
10:24:21
ソラを
空が金色にとけるような あたたかな色をおびて たくさんのギヤンマが 山の方にとんでいた わたしは 地をとろかしながら 沈む夕陽の金色に ただ 照らされていた 蝶がさわいでいる (……)
(737文字数)
2011-08-12
08:17:16
しかし
母のつむぐ 金色のいとは とんとんに とんとんに 私は 母のそばで 花をついで 花輪をつくる とんとんに とんとんに しかし 草木はマミドリで 鳥はさえずり 金色を(……)
(671文字数)
2011-08-12
04:58:28
羊の話
昔むかしやわらかな羊がいました。 そのこの毛はわたあめみたいにふわふわで、目は黒蜜のようにつぶらで可愛羊でした ある日羊は月を見上げて思いました 『おつきさまは飴玉みたいだわ』 羊は月を(……)
(778文字数)
2011-08-12
03:23:02
その
それは ごくあたたかな 金色のひかり やわらかな 鋭い刃のような オーロラのような 雲のすきまから さしこんだ ひかり 私は岬にいて その光がゆっくりと さしせまるのを 感(……)
(1102文字数)
2011-08-11
13:31:26
カエルに私
柔らかな金色の雲が 灰色の風に たくさん運ばれていきました 薄い青いところに ひかひか光る しろい星が 昼だというのに 見えていました ハイビスカスが 笑っていました あは(……)
(830文字数)
2011-08-07
16:33:07
海
わたしたちが もっと原始の海の頃 考えることができず 思うばかりで出来ていた 海の頃 ゆっくり 波と波との間 わたしたちはたゆたっていた あなたは わたしに微笑んで ほほえみ(……)
(516文字数)
2011-08-07
14:16:21
うんめい
わたしは 大きな白い亀の上にいました 海は青く澄みわたり 空はどこまでも水色をしていました ただ、遠くの方では 白かったり黒かったりする雲が 海の中にかみなりを落としていました じ(……)
(719文字数)
2011-08-05
20:34:08
あい
たまに自分の不出来さに 頭をがんがんうちすえて 泣き叫びたくなるんだ 狼がいいました そう 鳥が言いました たまに ぼくの不出来さを 笑って欲しいと 願うんだ (……)
(726文字数)
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