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みえないもの

2018

2018-07-02 11:18:11 大母神―神が癒えるとき―
わたしはこうきいている だいぼしん 子を生んだ時 あまりのいたみに 死地にたおれた 大母神のからだから 穀物が生え 果物が生えた - 右乳から流れ出したミルクから とあ(……)
(835文字数)

2018-03-13 15:35:01 猿と花
空から甘い風が吹いているようだった 花粉の季節です、と テレビがはなしてる 花粉の予防には…… ならこれは 花粉の香りなのかなぁと思う ほんのりあまく おもく、あたたかい バス(……)
(1708文字数)

2018-01-07 09:45:33 赤い鳥と青い月
青い月がでていて 白い草原で 赤い鳥がないていたんだ それですこし慰めていたんだ 月明かりの中 月光花は金色に光 どんなに痩せた地でも やがて植物はまた生えるのかな、とか そん(……)
(246文字数)

2017

2017-11-24 12:50:42 セキズイ
セキズイは宇宙の命だった 宇宙船からおりて しばらく調査して セキズイははじめ お金というものが この世界の主かと勘違いした それで、千円札をひろってきて (たくさん探したら落ち(……)
(2184文字数)

2017-10-17 16:30:33 守り神
だぶーんだぶーんと 海がなっている 暗いくらい海 ま明るい月が 海のすきまを光らせている 目の前の人は誰だろう 暗くてよく見えない おんなのようだ 手ぬぐいを、波しぶきよけなのか (……)
(827文字数)

2017-08-04 10:38:20 火と水の愛の子
大きな大きな 火がお日様です おひさまのなかには たくさんの火の龍がいき いきかいながら 爆発したり ぐるぐるしたりします 大きな大きな水が海です たくさんのなみがしらをもつ おお(……)
(385文字数)

2017-06-19 10:37:38 かんけい
ひとの気持ちを考えてなかったって せつさんはいうんですね 正論が暴走して 泣いていたことさえ 気づかないで ふみにじった 怒ってきたから…… 逆らってきたって はむかってきたって (……)
(870文字数)

2017-06-14 10:36:50 心河と八つの神さま
むかしむかしのことです 8つにあります 大きな大きな神様がいらして 命たちのこころへと汲まれ また、命たちの思いから こころから 流れを与えられる川のなかの 暗いくらい淀んだ底の(……)
(1073文字数)

2017-05-11 20:10:15 馬
赤いちいさな花が咲いております まれまれに、 黄色い柔らかな花 星は天に満ちて そうそうに あつい風が揺らいでおります 槍をもたれた方は えい、やぁ、えい、やぁ、と 槍の練習を(……)
(579文字数)

2017-05-06 11:59:51 フクロウのいる情景
ぼーっとしていると ひたいの真ん中が あたたかくなってきて めのまえに、フクロウがいて ぽーうぽーう鳴いている だけどとくになにか はなすことも つたえることもない ただぽーうぽー(……)
(453文字数)

2017-05-05 10:12:26 タンポポのジャム
やまのあぜみちに 小さな白いものがおりまして ひとつひとつに やまのはなをとっておりますから なぜにとりますか、と たずねましたら タンポポのジャムをつくるのですと いわれるのです (……)
(427文字数)

2017-04-21 21:47:22 鬼
まさかと思いなさる まさかと思いなさるが 神々もひとを憎まれる…… 見えないから わかることも ありますか 見えていたら 見失うことも あるんでしょうか…… …… (……)
(947文字数)

2016

2016-12-14 17:41:30 親方さま
「また、低級霊といわれてしまって」 罵られて切りつけられた 真っ赤な花が ひとつ、ふたつ ふら、ふら、と 咲いては散っていく また、時がやけにはやい 床をふむたびに しぎり、しぎり(……)
(1059文字数)

2016-12-14 17:02:04 石と暮らしている
楓さんはちかくにすむ蛙の方だ 出された日本酒を ちびちびのみながら はるあみとなのる 鳥のかたとはなしてる ーー文句言いたくなるようなひとをみて 文句こさえている間はあかんよ…… 上(……)
(1267文字数)

2016-11-17 18:09:06 臆病
知らないままでいられないのは 怖いからです 確かめるより、決めつけるのは 怯えているときに そのほうが、はやくて 楽だからです …… みちばたに よごれて、まるまった毛布をまえ(……)
(1747文字数)

2016-10-22 21:52:11 軽蔑さん
嫌いなひとが きえはてたら 自分も きえはてるような 生き方を してないか : ふと、軽蔑をさえずる鳥が おとずれて 延々、呼音する 『否定できるものに 自分が依存し(……)
(418文字数)

2016-09-15 05:03:26 雨
外はあめがふっていて 少し寒い 庭のアジサイが 花のまま 枯れていた 花のまま、 腐り落ちる 花のまま 枯れておちる ゆかなぎは 花が好きだ 「ただいまもどりました」 (……)
(938文字数)

2016-09-07 14:34:29 幸せ
ふと、なんとなく あの、おみくじが多い神社に おみくじ ひきにいきましょうよ、と とりさんに言ったら 幸せになりたいの?と 聞かれます 幸せになるアドバイスほしい……? 健康的(……)
(576文字数)

2016-09-07 14:14:50 なめくじ
ゆかなぎの家のお風呂で なめくじが溺死していました 珍しい…… 知らずに沸かすところでした 湯船の蓋をあけたら 透明な水のなか 底のほうに 溺死していました すこし肌色の (……)
(628文字数)

2016-09-03 07:45:14 老魔
「いいえ、慈愛です」 老いた悪魔にみえるひとが 杖をついて、はねをひろげていう 口が歪んでいる 異様におおきな目が 息づくように ぐうぐううごく 自分でも 信じがたいことだが (……)
(632文字数)

2016-09-03 07:11:59 巨怒
世界は反応する : まっぐろい蝕手が 地面の下から生えて蠢いている ご、ごご、ご、 なっているのか ないているのか それは蠢きながら音たてる よくみると 黒いのではない (……)
(652文字数)

2016-09-02 08:37:23 ゆかなぎととりさん
おきると とりさんがうつむいて覗きこみ わたしの首をさすっていた 顔がすこし 心配そうにくもっている それで、いままで ねむっていたことを しった 変な夢をたくさんみたよ 目(……)
(277文字数)

2016-09-01 16:22:44 遠雷
神秘は ある、とか ない、とか しんじつ、とか うそ、ではなく 体感させようとおもったら わりと容易い : たのもう 誰かに言われた気がして 返事をしながら 玄関まで(……)
(530文字数)

2016-08-31 19:07:34 白い象
白色の象がいて 静かに流れる川に 釣糸を垂らしている ほんのわずか、濡れたような瞳に あたたかな色をたたえている さかながつれたら たべましょうか そう、いわれる 川はたん(……)
(510文字数)

2016-08-31 17:56:03 忌まわし坊主
歩いていたら 赤と青を彩りながら やわらかなほむらが たら、だら、どら と、電信柱の横に やわらかに おどっていた ひとりのひとが そこの前に座って 炙られるように 笑っている(……)
(950文字数)

2016-08-31 15:33:48 白毛猿
特別、のまえに、盲目になり 力、のまえに、盲目になる 考えないもの、を かれらは 欲する 飢えているものは ひとを、喰いたがる : とくべつなちからだ とくべつなちか(……)
(950文字数)

2016-08-30 08:57:52 あいなりや
甘い金の花が 青い深い空から垂れ下がり 金色のはなびらを ひとつ、ふたつ 風に吹かれて 舞いおとしている ひとりのひとがきて そのうでのなかに 子供を抱かれている ひとりのひとは(……)
(406文字数)

2016-08-29 20:56:40 トラップ
道を歩いていると 獣の女と獣の男がいる かれらの 爪はびかりびかり光る金色で わずかに血がこびりついている 自らのないものが 空虚に藁をつかむ 藁をつかんで 溺れて沈む あの(……)
(1328文字数)

2016-08-29 09:02:10 それがひとのいいところ
杖をつかれたものが えっちらおっちらと 崖を越えてくる それを見ながら お茶を飲んでいた 茶屋についたとたん かれは背のびをして うんうん、あん。とうなった それから、やあ、つかれ(……)
(806文字数)

2016-08-27 12:43:19 ねがい、かなうなら
目を覚ますとお侍さまがいた きれいな刀で なんどか、躍りを踊られる 刀はひかり。ひかり ひかりが、蛇のように ながれ、くねり、 お侍さまのとめる息 はく息あわせ ぼうっとつよくなり(……)
(1830文字数)

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