花の星
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短編[Year.2011]
2011
2011-12-03
16:38:19
チンゲンサイさん
それで、彼の名前は チンゲンサイというらしく まくろい川が どうどうとながれ わたしたちはその上で 象げ色の舟に乗っていた その舟は、白金の月の明かりで だいぶぴかぴかしていて 黒い川(……)
(1386文字数)
2011-11-30
19:22:14
蛙ピョコピョコ
夜明けの空は 蓮の海の したにいるような やわらかな碧と やわらかな藍色 水色と 紫 わずかに桃色 優しい 金色 薄い雲が いろづきながら ながれ のこされた星が まだ、キ(……)
(695文字数)
2011-11-30
19:08:29
まく、
まくろい空に きれいなきれいな満月が ちらりと光 こまやかな星ぼしが ちかり きらり またたいておりました 風がいくぶん つめたく あなたは ハスのしたの 泥水にめぐり 蓮の(……)
(637文字数)
2011-11-27
19:44:29
もんだよ
―― もしかしたらさ 親切なんて 迷惑と にてんのかもね つきの夜 赤い傘 ちょっとさして 笑いながら 歩けば あなたは クスクス 君って 考えすぎて ばかだよね なんて (……)
(1108文字数)
2011-11-27
18:36:39
狂い桜
夜に狂い桜 八重桜 強い風さえない おかげさまで あつぼったく 散りもしない 白い白い いくえの 白い重なり 優しくなんか なりたかないな なんか わからん 貴方は (……)
(642文字数)
2011-11-27
18:18:18
ピリピリ涙
星がピリピリ 泣く夜でした 私はさんぽしていました 月は真白い半月で やわらかな光を したに投げかけていた ふっと 蛙がにひき はなしていました 白い蛙でした ――(……)
(1024文字数)
2011-11-26
00:01:26
ちょうちょ
闇に紫のちょうちょ とんでいた わずかに ひかりながら とんでいた 私は、あなたといて あなたは、川の水を たまにもてあそんでいた ぱしゃん ぱ ぱしゃん 川の水は白く (……)
(631文字数)
2011-11-25
23:18:31
ちい
ちいちいちい ちいちい ぱっぱ ちい ぱっぱ なんもできない かたすみで 蜜を吸う 蜂になりたい せめて できるひと 邪魔しないで いきたい 力つきて 感謝さえできず 疲(……)
(592文字数)
2011-11-25
20:17:11
空の歌
さかりさから さかり さから あなたの歌が 空を飛び 私にながれ くるくる ながれ わかっているのか わからないけれど 貴方が 好きです ―― きっと 人を傷つけ それで(……)
(1488文字数)
2011-11-19
10:13:24
赤い山茶花
赤い山茶花が 雨に咲いていました 夜はまだぐずぐずと 朝が来るのを 邪魔していました 怒っているの と 聞かれましたから ただ 怒りばかり 回っているのです そう 申し上げました(……)
(563文字数)
2011-11-17
12:31:47
鬼
夜分におそれいりますが と、鬼が入ってきたので ああ、いやだなぁ、と 思いながら 赤い赤い花を生けて そのまえで 茶を飲みあった ―― 怒りというのは 赤と黒のドグロドグで ぐろ(……)
(793文字数)
2011-11-10
21:34:57
ヒイラギ
ヒイラギの葉を あんでいたら 何か泣けてくるようで 空を見上げたら 白い白いおおきなものが ゆっくり飛んでいて なにか なけてくるようだった 現実はどこまで 現実なんだろうと (……)
(980文字数)
2011-11-09
13:27:52
実
朝川で根っこに栄養がある草つんでいたら からす天狗がとんできて おまえ、血だらけじゃないかと 薬をくれた からす天狗はとんでいったが その翼が真っ黒だった ―― さて 健気さが (……)
(793文字数)
2011-11-08
17:24:59
あっぱれな
どなたさんが 水をまいて 道路はてかてかひかかっててよ すこしやつれたきもちで 生きるなんてだいぶやっかいだとおもいながら 空を見上げたら 笑っちまうほどの あっぱれ晴れでよ なに(……)
(878文字数)
2011-11-05
21:48:24
流れ星
ざあざあと滝が流れ 落ちた先から流れの速い それでもすんだ川になり どうどうとまた、 水おしあげるように 大量に先に先にと、流れておりました みどりいろの美しいこけに 石石はしっとり(……)
(1423文字数)
2011-10-30
19:40:27
ゴーゴン
深い夜空に 髪がゆっくり動く女がひとり 姿は見えなかった ただろうろうとした 歌のような 声が聞こえた ―― 月はぎらぎらして まるで、魚の目のようでした あれは、つきですか そ(……)
(1135文字数)
2011-10-28
17:25:24
夕日の迷子
まっかな夕日の中でふと 迷子になっているように思い 手を探り 誰かいないかとおもったけれど たくさんの人はいたのに だれも、傍にはいなかった てええんてええんと たくさんの鐘が響いて(……)
(1496文字数)
2011-10-28
12:57:06
きらめき
きんきんきらきらの ちいさな木琴を きらきら ならすような こまやかな ちいさな 綺麗な音が 鳴り響いていました 私は河原にいて 白く光る花と 優しい光のつぶに あなたと手を (……)
(718文字数)
2011-10-20
21:47:59
りゃんりゃん
おなかを下にして よくあったまると あたたかな花が おなかの中に咲くようで、とても 心地がいいように思います 星空の上では 雲がいきかい ちか ちか ちかと またたいているようです(……)
(913文字数)
2011-10-20
11:20:13
羊のよくある話
白い羊はもごもごと くちごもりながら いうのですが それが、なんと言う意味か わたしには わかりませんでした みんな 正しいのよ 自分がね みんな 正しいの 自分が みんな 正し(……)
(896文字数)
2011-10-17
21:13:37
海
―― 押し付けるものでも ないのよねぇ なんていいながら ぽてぽて 手をつないで まだ歩いていて 金色の砂漠のように 花が、いっぱいに 咲いている 空の真ん中に 月がぴか(……)
(505文字数)
2011-10-10
13:19:48
老婆
その老婆はいつしか私の隣に居て 私ががなりたてるのを ただ静かに、見ていたようだ やがて演説は終わり ひとり、ひとり 興奮冷めやらぬ顔をして 観客が去る 私も満足しきって階段を下(……)
(668文字数)
2011-10-07
21:20:25
呼音
金色のはちみつのような海 くりかえし 繰り返し のってりした波が よせては ひいて キラキラ光る 森は金の海の少し隣で いい月夜だと 空を見上げている 鳥がちいさなあくびを(……)
(547文字数)
2011-10-02
05:16:48
ラジオ
ラジオのボタンをひねったら どこにつながったのか 小さな電流がぴちぴちながれて 誰かの声に、つながった ―― ひとの のうは 考えていないんです あのね のうにながれる しなぷす(……)
(761文字数)
2011-10-02
00:01:50
取り戻せる
―― 今日ね わたしがいう あなたは、花畑の中で きままかってに 花を摘んで遊んでいる ―― きょうね こどもが、おとなを おこっていた とても、いらいらと おとなが、きらい(……)
(832文字数)
2011-10-01
23:43:39
視界
いつからか、 だれかが何かをみつけて それで自分の欲が満たされて とても良い思いができるので ちきゅうを おもちゃにして おもちゃではないのに すべてが ぼろぼろになっていくのも (……)
(1207文字数)
2011-10-01
23:34:28
つきあかり
まつの住んでいる町は 少し広くして、少し狭い おいしいグザイを売る店まで 行くのに30分はかかる だけど歩けば、 必要なものはたやすく、 その上少し安くそろう そんな風な町だった (……)
(1103文字数)
2011-10-01
21:26:30
白い猿
♪〜♪〜 心のきしみは 人間のいたみ 人間のいたみは人間の強さ ♪〜 誰かに 現実に 隣人に 思いあり力尽くす 人間の強さ ♪〜 憎しみにのまれないで ただ刻み 忘れないで ♪〜♪〜 人間の涙は 人間(……)
(972文字数)
2011-09-22
15:20:49
いう。
自分ができないことを ひとにいうほど みっともないことは ないのですから そう いう お と な は じぶんができることを わかりながら歩むものなのでしょうか ―― 月はき(……)
(533文字数)
2011-09-14
21:14:24
月光
やわらかな剣が ゆっくりそらから さしかかり 月とはなしていたら それが、ゆっくりたわんで わたしは、いま ないていたんだ きみは きみは わかってくれるだろうか わかってく(……)
(1056文字数)
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