花の星
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Year.2011
1 page
2011-12-12
20:02:40
手前勝手
あわい 赤い、こまかい花に 小さな音を立てて 霧のような雨が ふりおちて 私は、さむいようだと思いながら 小さな舟の上 貴方とふたり 川を下っておりました 風は冷たく 凍えるよ(……)
(1471文字数)
2011-12-11
16:04:05
接吻
まっすぐな空のした 木々の中のすきまから かえるたちが、話している ―― 生まれる時に 一生分の痛みを あじわった気がした いたくて いたくて これがぬけたら ああ、ようやくおわ(……)
(816文字数)
2011-12-11
15:53:38
冬
小さな電話が鳴っていて それをみながら とかげのようだ、と 思った ただ、とったら 外にいるから出てこないか、という それで身支度をして たたたたた、と でていったら さむいね、と(……)
(855文字数)
2011-12-10
20:31:52
海蛍
へびが のたうちまわるのは 全身で じぶんを あじわうためです じぶんを、 あじわうためです そういったら あなたは 笑いながら まだ、ただ 舟のうえ ぎいこ(……)
(1033文字数)
2011-12-10
13:38:05
へのへのもへじ
あおいあおい空に たくさんの、細かい星が きら きら きらきら ひかりかがやいて いまは なにをいっても 私の言葉は 嘘にしか 見えないと 思った だから唇を ぬいつけた どう(……)
(1641文字数)
2011-12-05
05:11:45
かがり火
かがり火が ばちばちはぜて 赤いひらひらとしたものが たくさん とんでいた ―― 暖かな夜ですね そう いわれたから ―― かがり火がもえているから そう言えば ふっと 約束を思いだした 約束(……)
(395文字数)
2011-12-03
16:51:53
言葉
そういえば あなたは 真白い花のような とおりの良い歌声で ただひたすらに ろーりぃうー と うたっている ―― それで ―― 大切なものを ひろいだすより 手元にある あ(……)
(378文字数)
2011-12-03
16:38:19
チンゲンサイさん
それで、彼の名前は チンゲンサイというらしく まくろい川が どうどうとながれ わたしたちはその上で 象げ色の舟に乗っていた その舟は、白金の月の明かりで だいぶぴかぴかしていて 黒い川(……)
(1386文字数)
2011-11-30
19:22:14
蛙ピョコピョコ
夜明けの空は 蓮の海の したにいるような やわらかな碧と やわらかな藍色 水色と 紫 わずかに桃色 優しい 金色 薄い雲が いろづきながら ながれ のこされた星が まだ、キ(……)
(695文字数)
2011-11-30
19:08:29
まく、
まくろい空に きれいなきれいな満月が ちらりと光 こまやかな星ぼしが ちかり きらり またたいておりました 風がいくぶん つめたく あなたは ハスのしたの 泥水にめぐり 蓮の(……)
(637文字数)
2011-11-27
19:44:29
もんだよ
―― もしかしたらさ 親切なんて 迷惑と にてんのかもね つきの夜 赤い傘 ちょっとさして 笑いながら 歩けば あなたは クスクス 君って 考えすぎて ばかだよね なんて (……)
(1108文字数)
2011-11-27
18:36:39
狂い桜
夜に狂い桜 八重桜 強い風さえない おかげさまで あつぼったく 散りもしない 白い白い いくえの 白い重なり 優しくなんか なりたかないな なんか わからん 貴方は (……)
(642文字数)
2011-11-27
18:18:18
ピリピリ涙
星がピリピリ 泣く夜でした 私はさんぽしていました 月は真白い半月で やわらかな光を したに投げかけていた ふっと 蛙がにひき はなしていました 白い蛙でした ――(……)
(1024文字数)
2011-11-26
23:24:11
白花
柔らかい白花の つぼみが 風に 揺れていたから 金色のその花芯は パラパラと 金の花粉を 闇に巻き ひかる わたしは 歌いながら 空には 白い魚が 流れていた あたた(……)
(239文字数)
2011-11-26
14:00:21
赤い月
赤い花が ばあばあ咲いてさ きれいだった ―― 人の生き方に 意見なんか ださずにいけたらね ―― あんたの思いに あわないやつ そんなん たくさん いるだろう あか(……)
(349文字数)
2011-11-26
00:01:26
ちょうちょ
闇に紫のちょうちょ とんでいた わずかに ひかりながら とんでいた 私は、あなたといて あなたは、川の水を たまにもてあそんでいた ぱしゃん ぱ ぱしゃん 川の水は白く (……)
(631文字数)
2011-11-25
23:18:31
ちい
ちいちいちい ちいちい ぱっぱ ちい ぱっぱ なんもできない かたすみで 蜜を吸う 蜂になりたい せめて できるひと 邪魔しないで いきたい 力つきて 感謝さえできず 疲(……)
(592文字数)
2011-11-25
20:17:11
空の歌
さかりさから さかり さから あなたの歌が 空を飛び 私にながれ くるくる ながれ わかっているのか わからないけれど 貴方が 好きです ―― きっと 人を傷つけ それで(……)
(1488文字数)
2011-11-24
22:01:35
蜃気楼
夜に深い黒 ちか ちか 瞬くような 星が見えて あれ 地面に おかしいな と 思ったら 湖が 空をうつしていた 流れ星が みゃっと流れ 地と天 2つ、みえた 手にある提(……)
(486文字数)
2011-11-24
10:50:48
なんな
イチゴつみにきたら 柔らかい金色の光りに あたたかな草花は あおみどり 時折 ぱらぱらと 小雨がふる ―― 私 なんなんなん? ―― なんなんなん 君は笑う イチゴは(……)
(437文字数)
2011-11-24
09:33:56
滝
ザァザァとながれ 滝落ちる場にきて ザァザァとながれ 私たちは 白いながい ひかりひかりする 魚にのり 魚は、また滝をのぼる ザァザァとながれ 朝がきたらしいから 見上げれ(……)
(448文字数)
2011-11-21
10:13:36
空の話
気がついたら 白い、きれいな電車に乗って ただひかひかとひかりながら 水面の上をはしっていた 魚影が2、3匹みえたが もう、気にしなくていいだろうと おもえた うすい青い静かな空(……)
(305文字数)
2011-11-19
13:58:26
雲
雲のきれまから 優しい光が ゆらゆら下に ちいさな鳥が ちかちか鳴いている ―― 人に嘆くなら 私は不遇を感じ ―― 自分に嘆くなら 私は幸運を 覚えるようです 私は空(……)
(377文字数)
2011-11-19
10:13:24
赤い山茶花
赤い山茶花が 雨に咲いていました 夜はまだぐずぐずと 朝が来るのを 邪魔していました 怒っているの と 聞かれましたから ただ 怒りばかり 回っているのです そう 申し上げました(……)
(563文字数)
2011-11-17
23:47:01
リンリん
夜中にリンリんと 電話がありまして きみはね 弱くなれないから いけないんだなんて 怒られまして 疲れたり 苦しかったり いやになったり たちどまることは よわいあかし では(……)
(419文字数)
2011-11-17
12:31:47
鬼
夜分におそれいりますが と、鬼が入ってきたので ああ、いやだなぁ、と 思いながら 赤い赤い花を生けて そのまえで 茶を飲みあった ―― 怒りというのは 赤と黒のドグロドグで ぐろ(……)
(793文字数)
2011-11-10
21:34:57
ヒイラギ
ヒイラギの葉を あんでいたら 何か泣けてくるようで 空を見上げたら 白い白いおおきなものが ゆっくり飛んでいて なにか なけてくるようだった 現実はどこまで 現実なんだろうと (……)
(980文字数)
2011-11-09
13:27:52
実
朝川で根っこに栄養がある草つんでいたら からす天狗がとんできて おまえ、血だらけじゃないかと 薬をくれた からす天狗はとんでいったが その翼が真っ黒だった ―― さて 健気さが (……)
(793文字数)
2011-11-08
19:37:05
じーんせーは
白い砂浜に 私はいて 小さな子供が 隣にいて 茶色の猿が 隣にいた けいきはどう ぼちぼち おとなはつらい? ちいさいうちは きにするな さるのうちは? 猿は 海は静かな ラムネ色で 空は静かな青(……)
(392文字数)
2011-11-08
17:24:59
あっぱれな
どなたさんが 水をまいて 道路はてかてかひかかっててよ すこしやつれたきもちで 生きるなんてだいぶやっかいだとおもいながら 空を見上げたら 笑っちまうほどの あっぱれ晴れでよ なに(……)
(878文字数)
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