花の星
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小説
Year.2011
3 page
2011-09-13
19:54:32
しろ
腹を下にねむっていたら 外では鈴虫が鳴いていた。 ただ、こまかいあめが ぽ、ぽ、ぽと おりてきて それが鈴虫の声とあいまって 星がながれおちてきたように思えた 起き上がり しばしば(……)
(648文字数)
2011-09-09
16:42:33
サグ
朝方だったようで うすい青い砂漠森には ところどころにはえた木から 黒い影が伸びていた あるくと、きゅ、きゅ、きゅと 足音がして なるほど、ここ鳴き砂なのだね、と サグは思った サ(……)
(3879文字数)
2011-09-09
16:39:30
から
緑色のカエルが 片足をひきずりながら すこし きこきこと 歌を歌っていた 彼は私のそばにいて 稲でできた楽器を 風にあてて鳴らしていた ピュウピュウ 月が高いところにあって(……)
(475文字数)
2011-09-07
16:49:48
明け方の月
起きると明け方の月 しろく 薄明かりにかかる ―― 必要とされることが 望みだったに ちがいない ふと、そう思う いったい 必要とする人を 手に入れるより 必要とされる(……)
(924文字数)
2011-09-06
16:48:40
泰魚
ぼおっとした海に はんかけの月が ひっかかて 落ちかけている うすい青い雲が 空のはしからはしまで流れていた 私たちは大きな白い魚の背中に乗り その銀にひかり 月明かりに反射す(……)
(1537文字数)
2011-09-05
16:48:18
うた
青葉が山にしげり 香り高い実がなるころ 麓は霧が出て わたしは迷っていたよ 霧のなかは見上げても月は見えないし あかるくも暗くもない 道だまりに からからと からきしに乾いた枯れ葉(……)
(1065文字数)
2011-09-05
16:48:04
ナギとヤワ…黒い龍
……黒い龍が うろこ逆立てて 走り流れた ひずめに ひっかかれた空 われて 雷がひかり ひかり でも遠すぎて 音もなかったんだ ナギが話す ヤワはただ聞いている 霧の中、灰色 (……)
(1160文字数)
2011-09-02
20:25:05
ミルクの森
昔々あるところに、 ミルクでできた王さまが居ました おうさまは体も何もかもがミルクでした ただ体を保つために気合を入れて生きていました ある日、王さまは道端で転んでしまいました (……)
(863文字数)
2011-09-02
20:22:37
赤い実
♪~♪~ きっとさ きっとさ 砂落ちる 砂山の上 歩く蟻 ♪~♪~ いつ崩れるかわからない そんな刹那を積み重ね ♪~ 砂で作った城みあげ おれがすごいや おまえがいい ♪~ きっとさ きっとさ(……)
(1508文字数)
2011-08-31
16:10:07
失ってはならない
なにか、雨は 細く細く 銀色の矢のようにふっておりました それがあまりに細いので ひとにつきささり それが痛々しく すこし恐ろしいようでした それでもその雨の合間に うつくしい光は(……)
(1755文字数)
2011-08-31
12:28:25
愛
私はこれが何の意味を持つのか知らない 金色と青の縁取りに彩られた子供、王さまの 目の中は金色に縦筋がはいっていて それは蛇の目だった 蛇は美しいように思えたが 少し恐ろしかった その(……)
(1015文字数)
2011-08-31
12:14:56
こころ
夕日はさんさんに 川べりにてっていて 川はたくさんの光を流して すきとおっていた 底にある小さな光る石まで 太陽の光をぴしゃりぴしゃりと光らせ 魚が楽しげに涼しげに下る姿がみえた そ(……)
(723文字数)
2011-08-30
20:00:41
虹
彼は柔らかな空をみていた ちいさな鳥がなんびきもつらなり、飛んでいた。 かなしいこえが ぱーお ぱーおと響いていた : 暗い夜だった 小さな森の水辺で 釣りをしている彼のそ(……)
(1237文字数)
2011-08-28
22:39:01
白雲
銀色の砂浜に やわらかな 太陽が 金の光をみたしていた ぴかりぴかり光る 砂を歩いて わたしは小さなかのかたと ふたりで散歩していた たどりついた白金の岩影から たくさんの滝が(……)
(875文字数)
2011-08-26
06:24:34
I not like you
人は、じぶんの都合のために いるわけじゃないですよ 亀さんが言いました 温かな霧雨が降っていました 霧の中に 月が浮いていました 晴れ雨、夜の晴れ雨 人に文句がある時は (……)
(1203文字数)
2011-08-22
19:58:30
業音
ざあざあと 雨が降っていました 木々の緑がびしょぬれになって 水滴のなか 頭を下げていました うすい、やわらかな白い花が その落ちてくる水に うれしそうに しずかにぬれていました (……)
(1255文字数)
2011-08-19
20:13:40
幼稚恋
ああ だめだ と 蛙は いいました ああ 駄目だ せめて 好きは すきとおっていて ほしい ああ だめだ だめだ と かえるは いいました だめだ と (……)
(366文字数)
2011-08-15
10:20:30
ありがとう
やわらかな雨がふりそそぎ たえまなく 池のようなみずうみに 波紋が広がっていた ―― 憧れていなきゃ 嫉妬なんか しないよ 君は笑う ―― でも嫉妬は きらいだ 雨(……)
(381文字数)
2011-08-14
10:24:21
ソラを
空が金色にとけるような あたたかな色をおびて たくさんのギヤンマが 山の方にとんでいた わたしは 地をとろかしながら 沈む夕陽の金色に ただ 照らされていた 蝶がさわいでいる (……)
(737文字数)
2011-08-12
08:17:16
しかし
母のつむぐ 金色のいとは とんとんに とんとんに 私は 母のそばで 花をついで 花輪をつくる とんとんに とんとんに しかし 草木はマミドリで 鳥はさえずり 金色を(……)
(671文字数)
2011-08-12
04:58:28
羊の話
昔むかしやわらかな羊がいました。 そのこの毛はわたあめみたいにふわふわで、目は黒蜜のようにつぶらで可愛羊でした ある日羊は月を見上げて思いました 『おつきさまは飴玉みたいだわ』 羊は月を(……)
(778文字数)
2011-08-12
03:23:02
その
それは ごくあたたかな 金色のひかり やわらかな 鋭い刃のような オーロラのような 雲のすきまから さしこんだ ひかり 私は岬にいて その光がゆっくりと さしせまるのを 感(……)
(1102文字数)
2011-08-11
13:31:26
カエルに私
柔らかな金色の雲が 灰色の風に たくさん運ばれていきました 薄い青いところに ひかひか光る しろい星が 昼だというのに 見えていました ハイビスカスが 笑っていました あは(……)
(830文字数)
2011-08-10
22:22:58
疲労
あたまが つかれてしまって そういったら となりにいたウサギは クスクス笑うのでした わたしのあたまを やわらかな毛耳で 三回撫でて 絶望 苦しみから 逃れたいと あ(……)
(337文字数)
2011-08-10
22:19:29
ひかり
ぴか、ぴか、ぴかぴか 星がまたたいています 白砂の浜辺に わたしたちはおりました わたしは 白でできた傘をもって ただ あなたのそばに たたずんでいました 嬉しいものですね(……)
(431文字数)
2011-08-07
16:44:57
カタツムリが
選ばれるのを 求めちゃだめだよ カタツムリがいいました 選ぶんだよ 欠点をそいだり かえたりしたかったの でも 欠点はそうね いまのところ 見守るぐらいしか出来ない (……)
(190文字数)
2011-08-07
16:33:07
海
わたしたちが もっと原始の海の頃 考えることができず 思うばかりで出来ていた 海の頃 ゆっくり 波と波との間 わたしたちはたゆたっていた あなたは わたしに微笑んで ほほえみ(……)
(516文字数)
2011-08-07
14:16:21
うんめい
わたしは 大きな白い亀の上にいました 海は青く澄みわたり 空はどこまでも水色をしていました ただ、遠くの方では 白かったり黒かったりする雲が 海の中にかみなりを落としていました じ(……)
(719文字数)
2011-08-05
20:34:08
あい
たまに自分の不出来さに 頭をがんがんうちすえて 泣き叫びたくなるんだ 狼がいいました そう 鳥が言いました たまに ぼくの不出来さを 笑って欲しいと 願うんだ (……)
(726文字数)
2011-08-05
12:08:54
夢
ジャングルのおおひろば すこしばかり、木々のないところで わたしはひとつの大蛇になって たくさんのうろこを さゆうにうごかして ゆっくりと ひなたぼっこをしておりました わたしは (……)
(1012文字数)
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